2016年5月5日木曜日

STAP細胞を改めて振り返ってみる (6) ES混入、今後のこと

久方ぶりの小保方STAPの話題の続きです.今回でシリーズ最終回です.

今回は、データ管理能力が無くかつ論文が書けない小保方には一片の同情も無いが、それはさておき理研の終結宣言は拙速で残念である、というようなハナシです.

もっとも、本連載5回目で書きました、最初からSTAP由来の利益はハーバード大の総取りだったという驚愕の説を信ずるならば、拙速な終結もなにも関係なく最初からアッパラパーだったわけで、ますますSTAPを巡る各方面のプアさには腰が抜けるぜというものです.しかしホントかなぁ?

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こちらの精神科医は小保方のことを「空想虚言症」であると指摘しています.小保方が単独会見で狂言を語っているのを見終えたわたしも同じ感想でした.小保方は人前に出しちゃいかん奴だなぁと.

ビョーキだと小保方を指弾する人が多数いる一方で、小保方は研究者として優秀であり、黒幕の意思によりスケープゴートにされたと主張しつづける人も多数おり、実際にそういう専門のサイトがいくつも存在します.

そんなサイトのうちの一つで、こちらの人はSTAPについてよく調べてあり首肯できる部分は多いものの、小保方の取り扱いになるとなぜか論理的展開とカルト的展開の区別がつかなくなるという不思議な行動様式をお持ちです.小保方にはそういう人を狂わす魔力でもあるのだろうか? 面白いので引用してみます.
こちらのページがそれです.ひら要約ですが冒頭でこう書かれています.
「コピペの小保方」を先入観として、論文を信用できぬ、小保方氏には学識などろくにない、研究自体も捏造だ、と誤った方向へ世論が発展した。
そしてサイト筆者は、小保方には学識があり研究自体は信用できる根拠として、「あの日」からバカンティにベタ褒めされたエピソードを引用し、次の世論批判を結論としています.
そういう程度の研究者であれば、バカンティにベタ褒めされたような考察や実験ができるだろうか? というのが、先入観を持たない人間の素直な印象でしょう。

これは困ったサイト筆者です.無自覚でカルトに墜ちています.

「あの日」に書かれているバカンティベタ褒めエピソードが物語るのは3つです.
  1)過去論文の読み込みという研究者にとって当然の仕事をしました.
  2)小保方は手技に長けたようで、優れた成果を短期間で出しました.
  3)バカンティはとても喜びました.

だけどそれがなんざんしょ?
  ・過去論文の読み込みは、研究の必要条件であり、十分条件ではない.
  ・小保方が手技に長けていたのは、研究の必要条件であり、十分条件ではない.

サイト筆者は世論批判のために必要条件から正当性を調達なんかして、、、小保方を擁護するためにならばそういうカルト技も許されるんでしょうか???

ならば小保方が社会的制裁を受けずに済むためのより重要な必要条件は他にもありましたよね?それはどうしちゃったんでしょうか?
  ・捏造・剽窃・改竄をしない
  ・第三者による検証成功
これらの必要条件を小保方が満たさなかったから制裁されたのは、世論が悪いんですか? そして過去論文を読めるから免責されるべきだったんですか? サイト筆者は自分が言ってる事が変だっていう自覚が無さそうで怖い.

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さて、空想虚言症小保方には素直に死んでもらうとして、STAPが真実だったのか?についてヒラサカの主観を書きます.

幹細胞混入説はSTAP研究の一貫した否定要件であり続けた.笹井や丹波といった名人の観察によれば、細胞塊の形状や蛍光などにより経験的に既存の幹細胞の類ではないと認識されていた.名人をしてそう言わしめるのだから、STAP研究のある時期、確かにSTAP細胞はあったとヒラサカは想像する.

しかしこの「ある時期」というのがクセ者で、当初はあるとされていたTCR再構成が、ある時点を境に消滅してしまったらしい.TCR再構成が見出された時期のSTAP細胞は真実だったが、TCR再構成が消滅した以後のSTAP細胞はES細胞にスリ替わったのだというのがヒラ予想.ただし根拠は極めて薄弱である.
根拠らしきエピソードとしてはこんなのがある.若山は小保方の指導により理研で一度だけSTAP細胞作成に成功した.しかし、その後山梨大へ移転してからは全敗である.

ここで謎は2つ.
1)当初はどうしてSTAP細胞が真実だったのか?
2)ES細胞がどうして混入したのか?

1)当初のSTAPが真実だったとしたら、、、それは何らかのコンタミによるものだと思う.それがウイルスのせいなのか、化粧の香水のせいなのか、研究機材の発する有機揮発成分のせいなのか、それはわからない.だがしかし、名人達を唸らせたSTAP細胞はやがて再現できなくなってしまった.

難易度は高かろうけど、STAP研究グループは、その何かを突き止めるまで論文発表をしないのが正解でした.立ち止まれる場面は何度も在ったと思うんですがね.小保方に止める権限が在ったのかどうかは知りません.

2)誰がESを混入したのか、、、誰かは判らないけれど、STAP研究の後半期は理研の小保方サイトと山梨大の若山サイトの2工程で検証されていました.
  -若山サイトがマウスを小保方サイトへ送る.
  -小保方サイトでは、そのマウスを殺して細胞を酸処理して若山へ送る.
  -若山サイトでは、細胞培養とキメラマウスの作成及び蛍光発光の確認.

小保方が「あの日」で、ES細胞にスリ替えた犯人は若山だと指摘するのはこういう2工程システムだったからです.とはいえ自分が犯人でないから犯人は若山だというのは消去法にすらなってませんからさすがは空想虚言症です.若山さん迷惑だろうなぁ.

理研がSTAPはESだと断定したのはキメラマウスのDNA検査によります.ところが、理研の報告書ではマイナーな部分にとても興味深いことが書かれています.
「CD45カルス-テラトーマ」の試料は、Acr-GFP/CAG-GFPを持つこと、およびES細胞FES1に固有の第3染色体および第8染色体の欠失が認められたことから、STAP細胞由来ではなくES細胞FES1に由来すると思われる。したがって、STAP細胞の多能性を 示すテラトーマ実験の証明力は否定された.
この試料は小保方サイトで閉じていた実験試料です.その試料のDNA解析がES細胞だったと言っています.ゆえに小保方サイトですでにESだった事例が一つ見つかっているんです.

この事実から推測するに、ES混入は小保方サイトの何者かによって行われていたという匂いが濃厚です.小保方はこういう事実をどこまで知って「あの日」を書き、犯人は若山だとする説を流布しているんでしょうか? あぶない奴です.

ちなみに、このテラトーマ試験は、小保方がハーバードのバカンティの研究所に居た当時(理研に来る前)に、成功したと小保方は語っています. 残念ですが理研の検証実験ではテラトーマ試験は断念されています.テラトーマ試験に移行する前段階ですでにSTAP細胞すら満足に作れなかったからです.

STAPを作れた/作れなかったのは、時系列順にこんな関係だと云えそうです.
  ・ハーバードでバカンティの部下だった小保方      OK
  ・理研で若山の部下だった小保方     OK
  ・理研で小保方の指導を受けた若山   OK
  ・理研で笹井の部下だった小保方     NG    ES混入
  ・理研で再現実験の小保方           NG
  ・小保方を除く者                        NG
まるで魔法使い小保方ですな.小保方の心が病むとSTAPを作れなくなる.

ひら主観をまとめると、
初期には小保方マジックでSTAPを作れたが、やがて魔力の消失によりSTAPを作れなくなった.どういうわけか魔力の消失と同時期にES細胞が何者かによって混入され、小保方による再現すら満足に出来なくなった.小保方マジックが何なのかは不明.ES混入犯も不明だがそいつは小保方サイトの誰かであり、若山であるとはチト考えづらい.

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理研の幕引きは拙速だったがそれもやむを得なかっただろう.

科学的にウソだ、そんな研究はカルトだ、とさんざ言われながらも一部の研究者が細々と研究を続けているジャンルというと、常温核融合があります.常温核融合フィーバーは1989年の事でしたから「あの日」からもう27年も経っているわけです.まだ理論は解明できていませんが、再現性はずいぶん向上したと聞きます.

STAPも常温核融合になれればよかったんです.再現性に乏しい現象なのだが、一部の成功事例がある.予算も獲れないしアングラでしか研究できないけど、STAPを研究している一派は世界で20人ぐらいは生きている.その中の一つが、STAPを最初に発見した理研である、という切なくも地道な状況に.

そうならなかったのはなぜか?

文教予算を受ける理研の小保方が捏造・剽窃・改竄の3回死刑をしでかしてしまい、理研は文科省から真相究明と真犯人の打首獄門を要求されたところに、重要参考人である小保方が「STAPはありまぁす」「200回」「STAPが潰される」なんつうカルトな物言いで燃料注入しちゃった.不正のマグニチュードがあまりにも巨大すぎて、どれだけの関係者が粛清されるのか判らんくらいで早稲田大にも飛び火した.その結果、今後はアングラ研究ですらSTAPは禁忌という状況に陥ってしまった可能性がある.そういう意味でも小保方の罪は重い.

小保方が主張するレシピでのSTAPはありませんでした.ですが、常温核融合のようにどうやらSTAPは本当らしいぞ、と状況証拠は語っているとわたしは思います.

急がず焦らず、別のレシピでの再現試験を細々と誰かが続けるのがわたしの希望です.しかしそれは、震源地の日本ではないでしょう.震源から遠く離れた海の向こうのどこかの国でしょう.残念です.

なお、理研の拙速な幕引きを、陰謀で説明しようとする無駄な努力をわたしは致しません.



以上、STAPを振り返るシリーズは今回で最終回です.
かしこ


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5 件のコメント:

  1. TVを観ないので、STAP騒動の端緒から結末までの情報がありません。
    雑誌で見たのは研究室の冷蔵庫にムーミンのシールが貼られている写真だけかな。
    Youtubeにあるであろう、会見の様子もみたくありません。
    しかし、この騒動をさかいに「○○ジョ」というへんな命名が消えたのはうれしい限りです。

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    1. 会見は見ないほうがいいです.「クロムクロ」を見たほうがモアベター

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    2. ○○ジョとはジョジョのことでしょうか?

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    3. いつもの通りすがりの人2016年5月9日 0:47

      ○○ニョかと思った。

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    4. ○○ニョとはロナウ○○ニョのことでしょうか?

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