2016年4月15日金曜日

出雲へ (15) 和鋼博物館

今日の夜の飛行機で羽田へ帰るので、いろんな所で道草をしつつ徐々に米子へ近づいてゆきます.

安来市を通りかかりました.「やすぎ」と読みます.安来節の発祥の地かな?

そこにあの日立金属があるんです.アモルファス材とかスパッタのターゲットで磁気材料系でお世話になったんじゃないかと思います.

↓その日立金属の隣に、運営も日立金属なのではと思われる「和鋼博物館」というのがありました.
展示物は撮影禁止でした.

↓エントランスに置いてあったこれが、還元された鉄、つまり「たたら」の成果物です.爪で弾くとチーンと音がします.炭のような不純物が混ざっているため、この塊全部を使えるわけでなく、この1/3ぐらいが玉鋼(たまはがね)という刀剣に使える鉄なのだそうです.
↓砂鉄を還元する「たたら」の断面構造はこうなっていて、①②③④が地下構造です.意外に地下構造が複雑です.地下構造は繰り返し使えますが、地上構造は一度きりです.
 ① 排水層        たたら製鉄は湿気を嫌うそうです
 ② 防水層        同上
 ③ 保温層        トンネル状の中空構造になっています
 ④ 保温層        炭が厚く積まれています
 ⑤ 還元鉄        この辺に還元鉄が生成されます.
 ⑥ 空気ポンプ
 ⑦ 炭+砂鉄     上から投入     火加減は立ち上る炎で目視チェックする
科学の無い時代に、経験で科学を行った者達を尊敬します.

かしこ

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