2015年3月20日金曜日

【訃報】 宮園かをり、君のコトを決して忘れない 【四月は君の嘘】

あっけなし...宮園かをりちゃんは死んでしまいました.

しかしアニメ「四月は君の嘘」はわたしにとって衝撃的事件でした.

2015年1月期がスタートした時点では、「たかが音楽アニメ」と小バカにしていたノーマーク作品でしたが、第2話を観て「むむむっ、なんだこの作品は!?」と脳みその奥の方がチリチリとし始めて、第6話で「ぎょぇぇ~っ」と悲鳴を上げてしまいました.

そして今放映を終えた第22話で、今までヤバイヤバイと認めたくなかったけれど、宮園の死に直面してしまいました.

そして「君の嘘」とはやはりそういうコトだったのですね.

作画は極めて上質で、画面レイアウトも極めて上質で、演出も極めて上質で、ヲタク要素なんか全く頼りにしてなくて、愚直にアニメを作る、その一点だけで魅せてくれたアニメ作品はどれだけ久しぶりだっただろうか?

わたしの心の記憶では、似たような気持ちの揺さぶられ方をしたのは、細田守版「時をかける少女」の終わりの方、「自転車に初めて乗った、こんなに人がいるのを初めて見た」のシーンだったか...あのシーンはヤバかった...「時かけ」は「君嘘」よりも何かとヲタク要素が強いとして、やはりかえすがえすも「君嘘」が貴重な処は、ヲタク要素なし、エロなし、恋愛要素少し、戦争なし、SFなし、、、あるのは音楽と中学生の日常だけという限定の下でこれほどまでに心を揺さぶる作品を作ってしまったという処ではないか?

ヲタク要素なしで脳内検索すると、もしかしたら「赤毛のアン」まで遡るのかもしれない.しかしわたしは「赤毛のアン」よりも「君嘘」を上位に位置づけたい.だってアンで泣いた経験なんて一度も無いもの.先日、「赤毛のアン」を演出した高畑勲の遺作になる「かぐや姫の物語」がTV放映されていました.往年の名演出家である高畑勲も現代で通用する人ではなくなってしまって線香臭いかんじです.

2015年はまだ始まったばかりですが、「四月は君の嘘」が暫定一位なのはもちろんだし、本作で初監督のイシグロキョウヘイのデビューは、2015年が終わった時点で最大の収穫というコトになるにちがいないと予想している.

わたしが当代随一で好きなアニメ監督は「とらドラ」「あの花」「あの夏で待ってる」の長井龍雪だけど、「四月は君の嘘」を観た限りではイシグロキョウヘイがより上位になってしまいました.まぁ二作目三作目を観てどうなるかは謎ですが、でもイシグロ氏が期待を裏切るのはちょっと考えづらいとも思います.

長井龍雪は、泣き喚きシーンに持ち込んだ時にフルスペックを発揮する人で、もちろんそこに持ち込むまでの手練手管が上手なのは言うまでもないのですが、ややスペクトラムが狭い気がしなくもない.日本のアニメの文法の中でしか存在できない狭さとでも言おうか?
でも、イシグロキョウヘイは、日本アニメ文法やヲタク文法にほとんど頼らずに「四月は君の嘘」を作ったし、しかも「君嘘」ですらあれでまだフルスペックで作ってない感じがする.つまりまだ余力があって、フルスペックで作ったらもっとスゴイものを作るんじゃないかという気がする.

演出家が居なくなってしまって作るモノがなくて困っているジブリで一本作らせてあげたらどうでしょ? >  鈴木P殿

宮園、オレは君のコトを決して忘れないよ


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