2015年2月3日火曜日

古い家の屋根瓦について

先日、これは良い本だと思い、BOOKOFF町田店で買ったのがこの建築構造についての本でした.現物をバラしてみないと判らない構造がたくさん図解されています.毎日建築しているわけじゃないわたしのような日曜リフォーマーにはとても重宝な本だと思います.
がっ、BOOKOFF町田店で買ったその日に飲み歩いていて置き去りにしてしまい、再度買い直すという羽目になりました.絶版で古本しか出回っていないのは残念です.
↓例としては、バリアフリーな床の構造図とかが載ってます.この本の著者には感謝申し上げたい.
↓買い直す時に誤って買ってしまったのはこちらの本ですが、これはあまり役に立たない本なので買わない方がいいです.買って損した.
↓話は変わって、昭和初期に建てられた家の雨漏りを見てくれないかと言われて、その家の瓦を何枚か外しました.そしたら、瓦のすぐ下の構造が見たこともない構造で、あれれっこれってどうなってるんだろ?と戸惑うばかりのわたしでした.
この図のように、厚さ0.8mmぐらいの薄板が無数に積み重ねられているんです.厚みにして10mmぐらいはあろうかと思いましたので、薄板が10枚ぐらい積層されているイメージです.その上に瓦を設置する水平方向の角材が打ちつけられている.
↓戸惑った理由は、わたしの知識では、屋根の防水構造の要はこの写真のような、屋根の板(野地板)の上に張る防水シートだと思っているからです.アスファルトを含浸させたシートで「アスファルトルーフィング」というそのまんまの名前で呼ばれます.
ところが、昭和初期の家の屋根瓦の下にはアスファルトルーフィングがない.昭和初期に化成品が普及していたわけもないのでさもありなんだけど、出てきたのが厚さ0.8mmの板の積層ってどういうことだ??? これでは雨水をパーフェクトには防げないではないか???
そういう疑問もあって、冒頭で紹介した「よくわかる最新住宅建築の基本と仕組み」を買ったのですが、昭和初期の屋根構造について書かれているわけもなく、謎は謎のママ放置プレイだったのです.

その後、とある大工さんと呑む機会があり、「瓦の下地から積層板が出てきちゃって、防水シートなんか無いんですけど何なんですか?」と尋ねました.

大工さんの教えをパーフェクトには理解できなかったのですが、どうやら、古い家は、パーフェクトな防水を志向してないというか、あきらめているらしいです.

↓まず瓦ですが、言うまでもなく隙間アリアリです.それでも、しとしと降る雨はこの図のように、瓦の波構造に沿って流れ落ちますので雨水の浸入のリスクはほとんどありません.
では台風の日はどうなのかというと、左側から吹きつける横殴りの雨では、やはり瓦の隙間から僅かだけど雨水が浸入すると思われる.瓦の並び方が不均一になってしまっているような古い家は、普段から瓦の雨除け効果が減退しているかもです.

そして僅かにせよ雨水が浸入したら、古い家では雨水に晒されるのが謎の積層板です.謎の積層板が多少濡れてもすぐに乾いてくれるさという仕組みであるらしい.なんというアバウトな、、、、、

この謎の積層板+瓦という屋根構造は、昭和40年代初期まで木造建築で使われていた構造だそうです.

現代の家は建材の進歩のおかげで昔よりも長持ちすると言われますが、たしかに屋根構造ひとつ取ってもこれじゃぁ長持ちしなかっただろうなぁと思ってしまったのでした.

エイメン


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9 件のコメント:

  1. 素朴な疑問です。法隆寺を始め、古い木造建築が長期間使用されているのに、なぜ昨今の建売住宅は、20年くらいで建て替え時期になってしまうのでしょうか。また、奈良時代にシロアリ駆除はあったのでしょうか。

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    1. そうですねぇ、法隆寺、、、に限らず寺社ってのはオーパーツ的ですね.
      法隆寺なんて建立時点から年月が経つにつれて瓦の重量で屋根の勾配が徐々に増すらしいですから、それでも雨仕舞いが破綻しない瓦屋根の設計っていったらもう理解の限度を超えてます.「宮大工様ぁぁぁぁ」と叫んで崇めるしか下々の者には判らんセカイなのかもしれません.寺社建築は家屋のそれとは断然違うんじゃないかなぁ.
      建売住宅のあまりにもひさんぴーな理由も逆に謎ですがw

      シロアリ駆除については、わたしの子供の頃の体験ですけど、寺社の建物って1mぐらいの高床式で、床下に猫とか浮浪者が棲んでいたりして、風通し良く作られていて、あのせいでシロアリ被害から逃れていたんじゃないかと思っています.

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    2. 寺社の床下って、なぜかアリ地獄の棲息場所でした.なんでだろ?

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  2. 我が家の前の空き地で建売住宅を建築中です。
    全体の柱と屋根を終えた後は、人手不足なのか、ほとんど一人でしこしこ作業してます。
    建売住宅ってちゃっちいですねぇ。 
    最近のこじゃれた壁材でくるんでしまえば、けっこうな値段で売れちゃうんでしょーねぇ。

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    1. 戸建ての建築計画は、マンションに比べると激しく楽だと激しく思います.マンションは部屋数が多いので、各種工事を人海戦術でガーッとやらないといけないので人手の確保とか大変そうです.震災復興で人手が足りないとか資材が足りないとか噂はいろいろ聞きますが...
      それに比べると小さな建て売りなんか平和(ぴんふ)な施工だと思われ、極楽っぽいイメージですなぁ.

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  3. ソニーOB:佐藤2015年2月3日 22:19

    私は「図解入門 よくわかる 最新 建築設備の基本と仕組み」というのを持っています。

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    1. amazonで「同時にこれも買ったらどう?」と薦められる本ですね.
      設備屋って目立たないけれど手堅い商売だと思います.ビルって設備機器の塊なんだもん.

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  4. 古来(生家)は 土葺き がありまして、土壁の上の瓦を乗せたような感じです。
    google 瓦葺きで画像検索をしますと 出てきました。

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    1. ありますね.定常的に浸水したらイチコロっぽいでしょうか.

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