ガンダムUC 1-5のネタバレと少々残念な感想の件 （第１巻）

いまTSUTAYAで借りれるのはガンダムUC５巻までのようです．６巻が出ているようなのですが．以下では、ガンダムUC1-5のネタバレ的整理と最後に感想を書きます．ストーリーの読みは間違っているかもしれません．

第１巻
ストーリーを順に追うよりも最初に設定を説明する方が判りやすいと思われる．

１年戦争終結から17年後．逆襲のシャアでアムロは死んだがシャアはまだ生きていて、フル・フロンタルという名前でネオジオンの指揮を執っている．ネオジオンは地球連邦に対するテロ活動をしているし、ネオジオンを支援する勢力も依然として根強く残っている、そんな時代．

初代ガンダムを遡ること数10年の昔、宇宙世紀００年に起きた最初期のスペースコロニー（ラプラス）の大惨事は、地球連邦が仕組んだ陰謀だと考えられている．この事故が、ジオン公国の発祥や連邦の腐敗の起点となったのだ、というのが福井晴敏がガンダムワールドに持ちこんだすごい設定だと言えるだろう．

その事故の工作員は、一人を除いて殺されてしまったようだが、ただ一人の生き残りが、サイアム・ビスト．

長じてこんなお爺さんになって、UCの世界でもまだ生きているサイアム・ビスト．彼は、陰謀のただ一人の生き残りゆえに、陰謀に関するラプラスの箱という謎のアイテムについて知悉し、その存在を秘匿する見返りに地球連邦の枢要な地位を占めるようになり、やがてビスト財団という財閥を形成するに至っている．

UC世界におけるビスト財団の当主はサイアム・ビストの息子のカーディアス・ビスト．この男が、UCガンダムの開発者に他ならない．

カーディアス・ビストが、どうしてUCガンダムを開発したのかを語る前に、ラプラスの箱をめぐる宇宙世紀の状況について知っておくべきだろう．宇宙世紀００年のラプラスの大惨事に起源するラプラスの箱なるアイテムを暴くことがジオン公国の目的であったという裏の歴史観があるようだ．UCの時代において、ネオジオンがラプラスの箱を暴こうとしているのは言うまでもないが、連邦サイドにもビスト財団のことを快く思わない勢力もある（５巻で出てくるブライトさんなど）．さらにラプラスの箱を秘匿することで財団の栄華を守ってきたビスト財団の中にすら、正義のためにはラプラスの箱を暴くべきであると考える者すらいる．あっちの勢力にもこっちの勢力にも逆向きの分子が内在していてストーリーを複雑化させている、いやはや福井晴敏ワールド全開って有様ですな．

そして、UC世界に再び戦乱を招くことも厭わない元凶こそは、ビスト財団内部にいるラプラスの箱を暴くべきだと考える勢力なのである．それは誰か？ サイアム・ビストとカーディアス・ビストなのである．だから、ラプラスの箱を暴くためにカーディアス・ビストが開発したのが、UCガンダムなのであった．UCガンダムには、ラプラスの箱を開く鍵としての機能が仕込んであるのだそうだが、５巻まで観てもその鍵が何であるのかは明らかにされていない．カーディアス・ビストは、UCガンダムを使ってラプラスの箱を暴くことを目的としているわけなので、なんとなんと、UCガンダムをネオジオンへ引き渡す予定だったのだ．

ここまでが、UCガンダム第１巻を見始めるまでに知っておくべき歴史観である．

ようやく第１巻の始まり．

ネオジオンの偽装輸送船ガランシェールが、UCガンダムを開発中のコロニー「インダストリアル７」にUCガンダムを引き取りにやってくる．しかし、カーディアス・ビストの行動は連邦に筒抜けであり、ガランシェールを迎え撃つべくモビルスーツ部隊を展開する連邦との間で戦闘が起きてしまう．

ガランシェールに乗艦していたのが、あのドズル・ザビの娘、ミネバ・ザビ．彼女はネオジオンの所属だが、連邦とネオジオンの戦力バランスを崩壊させ再び戦乱を招くラプラスの箱がネオジオンに渡るのを中止させるため、単独でインダストリアル７へ侵入し、カーディアス・ビストに会って交渉しようとしていた．

インダストリアル７への侵入には成功したものの、遭難しかかったミネバを助けてくれたのがバナージという学生で、このバナージは、カーディアス・ビストの妾腹なのであった．

戦闘が激しさを増す中、ガランシェール船長のジンネマンとカーディアス・ビストの交渉は決裂する．

交渉が決裂したので、UCガンダムを封印しようとしたカーディアス・ビストであったが、そこに割って入ってきたのがアルベルト・ビストという男．アルベルト・ビストもビスト財団の一員であるが、彼はラプラスの箱を秘匿し続けることでビスト財団の栄華を保とうとする勢力であった．カーディアス・ビストは、アルベルト・ビストに撃たれて瀕死状態でUCへたどり着く．

UCのコクピットでUCを処置しようとしていたカーディアス・ビストのところに現れたのが、ミネバを探しに来たバナージ．カーディアス・ビストは息子のバナージにUCを託すことにした．UCはバナージの生体認証でしか動かない機体になった．カーディアス・ビストはここで死亡．

そして、バナージを乗せたUCガンダムが起動する．

１話で押さえておきたい、ラプラスの箱をめぐる様々な勢力をいまいちど整理しておこう．
  地球連邦－－－－－現状維持派・親ビスト財団派 ←→ 反ビスト財団派
  ネオジオン－－－－－反連邦・ラプラスを暴く・フルフロンタル  ←→ 現状維持派・ミネバ
  ビスト財団－－－－－現状維持派・アルベルト  ←→  ラプラスを暴く・カーディアス・サイアム
  巻き添え－－－－－バナージ

バナージはどんな闘いをするのか？  ミネバ様の運命は？  to be continued.

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