2012年6月26日火曜日

ソニーとパナが有機ELテレビで提携

ソニーとパナが有機ELで提携したそうです.わたしは有機ELの画って好きなんです.写真みたいなベターっとしたあの画をみるとウットリします.

それに比較すると、LCDの出始めの頃の画質はひどかった.まだsharpが14inch TVを売ってるぐらいしかLCD TVがなかった頃は、視野角もコントラストも色再現もゲロゲロでした.

そんなLCDの画質がここまで美しくなろうとは思いませんでしたが、バックライトを拡散させたり、視野角を広くさせたりするために、いろんな機能性フィルムを40枚ぐらい貼り合わせて作られているんです.あんな薄いLCDパネルにです.

そんな積層フィルムでできたLCDに比較すると、もしも有機ELがうまく生産できたらLCDよりも安く生産できる「かも」しれないと思います.なにせ、TFT+有機EL+バック電極だけになりますから、数10枚ものフィルムを積層させる必要はありません.もしも、LCDのTFT生産ラインですでに償却が済んでいる設備を流用できたら有機ELがLCDを駆逐する可能性が高まります.

しかし実際は有機ELの開発が難航しているのはなぜでしょうか?

LCDの高画質化を支えた技術はTFTです.LCD向けTFTの実用化が簡単だった理由は、LCDを駆動するには電圧駆動でOKなので、ちっとも電流を流さなくてよいからです.もっともバックライトは電流をバカ食いしますけどね------50inchクラスだとピークで200Wぐらい------でもそれはバックライトでの話であって、TFTには電流はちっとも流さなくて済みます.このシャッター機能+バックライト+色フィルターに機能分化させられることが、LCDの産業的成功を支えた物理的理由です.

ところが、有機ELは、TFTを経由してそれこそトータル200Wもの電力を流さなくちゃイケナイってことがTFT及び透明電極の開発にとってメチャクチャ難しい話なんです.電圧ドライブのTFTは簡単に実現できましたが、電流ドライブのTFTはさぞや難しかろうよ.それと、わたしが難しいだろうなぁとおもうのは透明電極に大電流を流すことです.透明電極ったって導線とはちがうので電気抵抗が高いです.むかしITO薄膜を触ったときには、幅5mmで長さ10cmぐらいでも数100Ωもの電気抵抗があったと記憶しています.しかも50inchのTVだと端面から40cmぐらい旅をしなくちゃ画素まで届かないですから、大画面化の障害になるんじゃないかなぁと心配してしまうわたしです.

ちなみに、有機ELの駆動電圧は20Vぐらいらしいので、パネル全体で10Aぐらいの電流を流す必要があるというのがおおまかな電流要求だと推測します.50inchの有機ELパネルを見ているときに、この表面に10Aもの電流が流れているのだという目で見ると、畏れ多い気になるであろうわたしです.

ともあれ、有機ELがLCDを駆逐する時代の到来を望みます.画が綺麗でうれしいので.

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2 件のコメント:

  1. 古い人間なのでCRTが一番好きかも~。
    フラットパネル系の画面は何かありがたみが少ない。

    端の方の画像が歪みとか、フレームのブレとかビームが
    蛍光面にずれてあたる感じとか、映す為の苦労がにじみ出て
    いて、映像のありがたみというかロマンようなものが
    加わっていたような。懐古趣味ですけど。

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  2. もっと古いと、
    画面が光り出すまで1分かかる.
    ON/OFFするときにブンと高圧の音がする.
    OFFすると中央がピカッと光る.
    など

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