2012年6月24日日曜日

消費税増税で露呈する日本人の弱点

6月26日に消費増税法案の採決をするそうです.小沢が54人確保すると法案は葬られるようですね.どうなるか楽しみです.

わたしは消費増税に反対です.理由は、税収が減ると言われているからです.この税収が減るというのはリフレ派のドグマなのではなくて、財務省の主税局長が、国会の委員会答弁で「増税すると税収が減ります」って発言したのですから、じゃぁ増税したって仕方ないわと切り替えるのが正常なはずなんです.

財務省の増税説得部隊が国会議員さんを回って説得する論理はたぶんこういうことかと.「世界の投資家は消費増税の成り行きを見守っている.もし消費増税が廃案になると、日本国債が失望売りされ、日本が国家破綻する.だから増収のために消費増税するのではなく、外人からの金融攻撃を回避するための増税なんです」

外野の外人が消費増税=財政再建と誤解するのは勝手にしろというか、それでマーケットのムーブメントを作って儲けたいというキャッチコピーみたいなものでしょう.日本国債は資金の逃避先として外人に人気があるのでいまや10%ぐらいを外人が持っているそうです.たかが10%とはいえ、レバレッジを効かせて10倍売れば、純技術的には外人が日本国債を暴落させることは可能かもしれません.

しかし、そういう金融攻撃による日本国債暴落説を主張する人は、米国債を大量に保有している日本にはドルを報復攻撃する弾がたくさんあるという、まるで核兵器による相互確証破壊状態になっているのを知らないのかなぁ?

100歩譲って、外人による金融攻撃で即死しないために増税するのだとしてもですよ、税収が減るんだったら、緩慢に死ぬだけじゃないですか?  だから増税はトチ狂っているとしか思えない.

こういうトチ狂った人々って日本の歴史にはしばしば登場するように思います.とりわけこないだの戦争の時はいくらなんでもトチ狂いが度を超しすぎでした.
  ●何度simulationしても負けという結果しか出ない対米戦を決めた内閣
  ●ミッドウェー海戦で空母を全滅させたタコい日本海軍と、報道を自粛した新聞
  ●補給をせずに兵隊を何万人も見殺しにした日本陸軍
  ●地上戦になるけど、沖縄の人なら死んでもいいやと決めた内閣
こういう無責任な決定でムダ死にした日本人はいったい何10万人いたんでしょうか???

いま消費増税をするのはこういう何10万人見殺しを決めた政策決定者と同レベルだと思われます.そのくらい恐ろしいトチ狂い方です.つまり、単語を変えてこうなります.
  ●何度simulationしても財政悪化という結果しか出ない増税を決めた野田内閣
景気を悪化させると、自殺者が増えますよ.10年間の累計で自殺者が10万人増加なんてことになったら、兵隊を餓死させた陸軍を非難できなくなってしまう大被害です.

なんでトチ狂った政策決定者が現れるのか? → 日本が豊かな国だから部分最適してても滅びなかったからだと思います.

日本は自然が豊かだし周囲が海なので、政策決定者がたとえ無責任であっても1000年以上一度も滅びずに済みました.だから、無責任な政策決定者がポコッと出てきちゃってもそれを誰も止められなくなってしまったんだろ、というのがわたしの仮説です.それは日本人の欠陥だと思います.

ある日地平線の彼方から武装した異民族がやってきて皆殺しにされる民族の記憶を持つ人々は、いくぶん戦略的な考え方をするんじゃないですかね? 税収が減るのに増税とかしねえだろ.

かつてのソニーは30年間ぐらいずーっと豊かな会社でした.ビジネスに無益であってもオレはこの研究開発をやりたい放題やるんだっていう無責任な社員がたくさん居ましたもん.とくにR&D分野にはこういう輩がうようよいました.わたしはそういう奴らのことが大嫌いでした.そういう勝手な奴がたくさんいて部分最適していても、会社の総体では儲かっていたのでOKだったんです.業績が悪化した今のソニーには、そんな勝手な奴らはもう居なくなったと思いますが.

高度成長期に人格が形成された団塊の世代~わたし自身(S39生れ)の世代ぐらいまでは、これまた部分最適的無責任さが際だったクソ世代だと思います.長い間景気が良かったので、なにか特定のイデオロギーを主張する団体に所属してその組織の主張に則った主張をしつづければ定年まで過ごせるっていう「終身部分最適暮らし」ができちゃった世代なので、税収が減るのに増税するなどという狂ったドグマを主張することに抵抗感や恥を感じにくいし、批判的でもないという特徴があるのではないでしょうか?  当ブログで批判したこの記事も同様につき
それに比較すると、バブル崩壊後の世界を生きてきた40歳以下ぐらいの人々は合理的で正しい判断ができるんじゃないかと期待します.団塊の世代~わたし自身の世代は早く死ぬのが日本にとって吉と思います.

消費増税法案が、小沢による解党&不信任案でしか防止できないのだとしたら-----防止できるに越したことはありませんけれども------、simulationで負けると判っているのに対米開戦してしまったのと同じくらいトチ狂った恐ろしい状況であると思わずにはおられません.

6月26日ははたしてどうなりますかな??? ドキドキが止まりません.

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4 件のコメント:

  1. 野田は党をまとめきれそうにないですね~。
    造反54超えありえる。

    で、自民と公明は全員賛成に投票して可決。

    駆けずり回っている財務省の連中も勝英二郎の
    子分ばかりで、自分の頭で考えている手合い
    ではないし。

    無責任もここまでくると笑える。

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  2. 採決後に不信任を出しても仕方ないと思うんで国会審議の順番はよくわからんです.
    主税局長が「税収減る」と言ったのはアンチ勝ですげえと思いましたヨ.

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  3. こんにちは 増税になったら トヨタは 消費税還付金でウハウハですね。
    それに一番の利益はカーローンだというではありませんか。

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  4. 新聞社は消費税5%据え置きでネゴできてるそうです.

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