2012年6月9日土曜日

起業してみようと思ったりして (その10) 会計ソフト

ひさしぶりの起業シリーズです.実はわたしの法人は6月末が期末なんです.

そして今は6月ですから、そろそろ決算のことを考えなくちゃいけません.みなさんご存知の通り、当社の業務実態はまだないんですけど、6月決算にしたために4月設立からたった3ヶ月の命で当期はおしまいってことになります.

それを承知でなんで6月決算にしたのかというと、税務署が7月ごろは比較的ヒマらしいからです.そうすりゃ税務相談も親切にしてくれるかもしれないと期待したからです.

いっぱしの法人なら税理士先生に決算処理をお願いするのが普通ですけど、当社は(まだor永久に)いっぱしの法人ではありませんので、税理士先生のお世話になるほど固定費を支出できませんので、わたしが自力で決算処理をすることを前提として設立しております.

自力でというと、いろいろな地雷を避けて通らなくてはとても自力で決算処理できる知識も自信もありません.避けて通る地雷はなにかというと、
●資産の償却処理は素人には無理なので、資産を持たない  ※
●社会保険がシャレにならんくらいめんどくさいので、社員を雇わない
この2つを避けるだけでも法人会計はだいぶ楽になります.
※不動産業の個人事業の確定申告で、不動産の償却処理を自分なりに考えてやってみたけど、青色申告会の税理士先生に直されて完敗を悟りました.

で、会計処理のベースとなる会計ソフトを何にしようかなぁとここ数日物色してきたのですが、「やよいの青色申告」だと法人会計には機能不足のようです-------帳票類が足りないようなかんじ--------なので、なにか別の会計ソフトを買うことにしました.
高級な会計ソフトは数10万円もします.価格.comによると、「弥生会計」の安いバージョンが最安3万円で最もポピュラーです.ソリマチの「会計王」¥2.6万円が2位.「わくわく財務会計2」¥1万が3位です.「わくわく財務会計2」を試用ダウンロードしてみたら、つかえそうな気がしたのでこれを使うことに決めました.税理士先生に委託する場合はその税理士が推奨する会計ソフトじゃないとダメっていう制約があるらしいんですが、自力でやるわたしは自分の好みで決めてしまってOKです.

ともあれ、個人事業の確定申告で「やよいの青色申告」を2年間使った経験があってよかったですわ.見よう見まねでありますが仕訳入力してバランスシートをバランスさせて、総勘定元帳、仕訳日記帳、現金出納帳、貸借対照表を数値的に納得して帳票印刷するところまでやりましたから.この経験がなかったら「わくわく財務会計2」を味見してもチンプンカンプンで使えそうかどうか判断できなかったと思われます.

でもさっそくわかんないのが、バランスシートに出てくる「創業費」です.いままで支出した起業費用は、この「創業費」になります.これって経費で落とせるんだろうなぁ? 数年に渡って償却するとかいうかったるいことはしないんだろうなぁ? なんていう嫌な予感が頭をよぎっているこの頃です....

ところでこの償却って、バランスシート的に不思議なものなんです.以下のことって理解できますか?
1) 不動産を100万円かけてリフォームした.
2) 20%づつ償却するので1年あたり経費化できるのは20万円である.
3) よって、バランスシートには20万円の経費が計上される.
4) しかし、初年度の残りの80万円はバランスシートのどこにも計上されない.

ええっ??? 80万円はどこに???

税理士先生にやってもらった確定申告処理は↑この考え方で作成されていました.つまり、100万円を支払った事実はあれども、償却物件の100万円を現金勘定科目にも普通預金勘定科目にも記帳しちゃいけません.もし100万円と記帳しちゃったら経費が100万円発生したことになってしまいますから.だから、記帳できるのは期末の償却処理でポンと20万円が登場するだけです.それで、「謎の支出80万円」はどこかの誰かが立て替えてくれてたつもりになっておくようなんです.
もっとも、資産台帳には100万円の資産を20%づつ償却する旨が別途登場するんですけど、バランスシートには100万円が登場しません.

う~ん、わからん???

たかが80万円をオーナーのポケットマネーで立て替えておくのならありえますけど、1000億円かけて建設した半導体工場の800億円をどこかの誰かが建て替えてくれてたつもりにはできないだろうと思うんですが、大企業のバランスシートはどうなっているんでしょうか?

素人にはよくわからない会計の世界です.わからんでもなんとかなりますがw.

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5 件のコメント:

  1. 税務署から見て、
    「どっさり設備投資しても資産として今期計上しなくて
     よいですよ(させませんよ)」
    「儲かって売上が入ってきたら、その中から原価処理
     したり、(末永く)税金を払うのですよ」
    という投資奨励&節税防止の為にBS(PL)に資産計上させない
    のだと思います。

    BSはスナップショットなので、事業実態(流れ)はほとんど
    表わしていないですよね~。でも、永年の累積の結果でも
    あるという・・。

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  2. BSってさぁ、神様のようなすごいものだと思ってたんだ.
    大貧民に喩えると、2とAが4枚ずつある手札みたいなものにちがいないと.
    でももしかしたら、2がゼロ枚、Aが2枚ぐらいの威力しかないのだろうか?

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  3. あくまで自分の感覚ですが。
    元はは絶対神だったと思います。
    総資産がでかくて、ピカピカのBSであれば、
    みなあがめていました。松下とかトヨタ
    疑いようのない唯一無二的な指標でしょう。
    大貧民でいえば、ジョーカーと2とAと絵札だけ位
    の感じだとおもいます。

    いまは、BSだけからその会社の力や余命をみるのは 
    難しいと思います。BSをきれいにすることを
    目標に経営すると業態によっては即死する感覚かも。
    ただ、長年の累積の結果もBSにでてくるので、
    その意味では大事です。
    大貧民でいうと、ジョーカーとクソフダがざった
    感じ?
    ただ、この感覚は負けたら死ぬ開発業のものなので、
    不動産業では全く違うでしょうね。BSが神かもしれ
    ません。

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  4. 「五反田 電気工事士」のキーワードで飛んできた者です。
    失業理由 を一通り読んで面白かったです。
    私も都立大の卒業生です。

    で、バランスシートですが。
    資産を買ったとき、現金が減って、固定資産が増えると思うのですが。
    そして、期末で決算の時に、減価償却分だけ固定資産が減って、経費に振り替えられていると思います。

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  5. 都立大はマイナーだなあと思いますので、あら珍しい.
    ところで償却により固定資産の簿価が減価してゆくというのは、そうかそういうことかと合点しました.資産を買ったときに現金が減るのは、それもたしかにそういうことだと合点しました.
    不動産の個人事業を開業した年の帳簿がわたしの混乱の根源だと思いました.そもそも個人事業ではバランスシートを作らないので、現金を積む→リフォーム費用を資産に転換→一部を経費で落とす というバランスシートの操作を体験せずにスルーしてしまったのでした.
    ありがとうございました.

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