2012年3月18日日曜日

職業訓練 住宅リフォームシリーズ 029 配管工事6

配管工事の続きです.
  6)さや管ヘッダシステム     ←今回はこれ
  7)模擬家屋の配管
  8)水洗トイレと洗面台の取りつけ

今回説明する「さや管ヘッダシステム」というのを、わたしは授業で初めて見ました.左写真の白いポリ管が給水管の本体で、それを中央写真の「さや」に通して建物の床下とか天井裏を引き回すという配管方法です.赤いさやは給湯に、青いさやは給水に使われます.右写真の灰色の物体は、ポリ管を分岐させるジョイントです.ポリ管をジョイントに接合するには、単に差し込むだけです.なので、現物合わせで採寸して、カットして、グサッと差し込むだけでおしまいという簡単な施工方法です.下手っぴな作業者が施工しても漏水のリスクが少ないのがメリットです.

さや管ヘッダシステムにはけったいな部品が目白押しなので、部品を以下に紹介します.下写真は分解中の部品ですが、壁に水栓を取りつける穴となる部品です.写真の下方からポリ管がグサッと刺さります.















下写真は、さや管を水平→垂直に立ち上げる箇所でさや管を90度曲げるための固定具です.このような固定具で曲線部を固定しないと、納まりが悪いです.

下写真は三又ジョイントです.
ポリ管を拡大すると、30mm間隔でメモリが印刷されています.これは、ジョイントに挿入するときに30mm差し込みましょうという意味のマーカーです.
実技課題では、下図の構造を作りました.
A部は下図の構造になっています.
B部は下図の構造になっています.さや管を曲げるには、R150mm以上にせよという規格があります.
C部は下図の構造になっています.⑬のカバーはポリ管の露出部をなるべく減らすためです.
さや管にポリ管を通すときには、通管ジグを使います.さや管を先に固定しておいて、ポリ管をぐいぐいと押し込むようにして通管します.
組み立て手順
①②③④ → 出口と入口を最初に取付
⑤ → Aへのさや管(2600mm)を取付.コネクタを右回ししてさや管をロックする.
⑥ → Bへのさや管(赤2000mm)、Cへのさや管(1800mm)を取付
⑦ → さや管よりも500ぐらい長く切断したポリ管を、さや管に通す.通管ジグを使う.
⑧⑨ → Aのエルボにポリ管を挿入して接続する.ポリ管の挿入深さは30mmである.ポリ管に印刷さ
れた30mmピッチの目盛りを目印にして突き当たるまで挿入する.付属部品でエルボを固定する.
⑩⑪ → B,C部へポリ管を挿入して接続する.高さを調節する.
⑫ → D部のヘッダへの接続は最後に行う.ポリ管を30mm挿入させることを念頭に置いて全長を
切断する.次にポリ管を100mmぐらい露出させるようさや管を切断する.
⑬ → ポリ管の露出部分にカバーをかぶせる
⑭ → ヘッダへ差し込む.

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さや管ヘッダシステムには一つ欠点があります.さやとポリ管の隙間で水流による振動でガタガタ音をたてることがあるそうです.とくに2つの管を交差させるときに音が出やすいので、管同士を接触させないように施工するのがオススメです. 

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