2012年1月30日月曜日

職業訓練 住宅リフォームシリーズ 023 電気工事 (検査編)

当シリーズ021 電気工事施工編につづき、検査編をおおくりいたします.

検査というのは、施工後に通電してよいかどうかをチェックする工程です.

通電するというのは”ブレーカーを上げる”わけですけど、どこかでショートしてると、いきなり”ブレーカーが落ちる”わけです.そうならないように通電前にかなり入念にチェックします.

簡易チェック
まだ、コンセントとか分電盤を取り付ける前、VVFケーブルが豚のしっぽ状態で壁から生えている段階で、簡易チェックをしました.

コンセントの導通チェックは下図の要領で、2人で声をかけながらチェックします.右側の人がコンセント端をショートさせるか(=close)解放させるか(=open)でテスターの抵抗値がゼロ/無限大の変化をしますので、正常に配線されているかどうかを判断できます.コンセントが分岐している場合は、右側の人はあっちこっち動き回ります.  ------分電盤とはブレーカーのついた箱のことです------
 ランプのように、スイッチが介在している部分では、下図のように移動します.この配置ですと、電灯スイッチのon/offでテスターの抵抗値が変わるので、正常に配線されているかどうかがわかります.
竣工検査
簡易チェックは、工事中の間違い探しですが、竣工検査は工事完了時にマジメにやります.東電に電線をつないでくださいと言うために、竣工検査結果が必要らしいです.書式はこのようなもんです.

以下、竣工検査の検査内容を説明します.

線間絶縁抵抗
配線がショートしてないだろうなというチェックです.メガという高抵抗を測る専用の一種のテスターを使って線間の抵抗値を測ります.器具を全て取り外し、ブレーカをoffし、屋内側の線間抵抗が0.1MΩ以上あることを確認します.器具が外されているのですから、屋内配線のどこかでショートしてない限り、抵抗値は無限大になります.   --------メガは小電流です.なので、線間容量を充電するために一瞬低抵抗が観測されることがありますが、それはショートしているわけではありません--------
大地間絶縁抵抗
配線が地面にショートしてないだろうなというチェックです.器具を全てつけてSWをオンします.ブレーカはoffです.屋内側の線とアース間の抵抗が0.1MΩ以上あることを確認します.器具が全部ついているわけですから、どっかしらで地面にショートしてたりするとこの試験でバレます.絶縁抵抗が低いと、感電する危険があります.
接地抵抗
アース(=接地)がちゃんとできてるかどうかをチェックします.接地抵抗計という専用測定器を使います.測定原理は下図です.測定対象のアース線の他に10mと20m離れたところに追加で2本のアース棒を打ち込み抵抗を測ります.家庭用はD種設置工事の100Ω以下ならOKなんじゃないかしら? 扱う器具によっては10Ω以下の接地抵抗を要求するケースもありますけど、学校のカラカラに乾燥したグランドなんかだと10Ωの達成は無理だと思います.塩水でもふんだんに撒けばいいでしょうけど.
導通検査
ブレーカーを上げて通電して、各所の正常動作をチェックします.
1)コンセントの接地側と充電側を検電器でチェック
2)照明器具の点滅をチェック
3)コンセントに器具を接続して正しく動作するかをチェック

検電器というのは、中くらいのドライバーぐらいの大きさで、コンセントなどの非アース端子に先端を接触させると、人体を微少電流が流れて-----気づかない程度の微少な感電-----ネオン管がピカッと光る器具です.検電器をつかって、コンセントの+-が正しく配線されているかをチェックします.壁のコンセントの穴は大小があり、大がアース側です.したがって、小に検電器を触れて光ればOKです.
光っている検電器
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