2012年1月13日金曜日

職業訓練 住宅リフォームシリーズ 018 タイル貼り

久しぶりに住宅リフォームシリーズです.今回はタイル貼りです.

タイルの種類
家の外壁によくタイルが貼られています.屋内ではトイレの壁にタイルがよく使われています.-------最近の風呂はユニットバスなのでタイル貼りはあまり見かけません-------

以前、自宅の外壁にUSB監視カメラを取り付けようとしてドリリングしたことがありましたが、ドリルの刃が立たずにあきらめたことがあります.ちゃんとコンクリートドリルを使ったのに全然穴が空かなかったんです.

住宅リフォーム講座で知ったのは、タイルには、外壁に使う高耐水性で硬い磁器タイルと、内装につかう中耐水性で加工が容易な陶器タイルがあるってことです.わたしが外壁への穴あけで懲りたのは硬い磁器タイルだったんです.

タイル貼りの実習では、下の写真のような模擬家屋の下100cmぐらいに100mm角の内装用タイルを貼りました.

タイルの形状
販売されているタイルでポピュラーなサイズは、目地を織り込んだサイズで下記です.
(海外製品には実寸で100x100mmというものもあるので注意が必要)
   100x100mm  @¥40 ¥4000/平米
   200x100mm
   150x150mm
   200x200mm
   109x109mm

タイルは単品で販売されているだけはありません.300x300mmサイズに集成されている製品もあります.とくに、20x20mmのような小さいタイルでは集成型でないと貼るのが大変てなことになります.
下左図のタイプは紙の面を手前にして貼ってあとで紙を剥がすタイプです.
下右図のタイプは網の面を接着剤に貼ってそのままでおしまいなタイプです.


タイルを貼る場所に合わせるためにタイルにはいろいろな形状があります.ちゃんと考えて仕入れましょう.


















タイル貼り作業

①墨入れ(その1)
部屋の下半分にタイルを貼るこことします.下半分に水平墨とセンター墨を入れます.上下を区切る板を廻り縁と呼称します.廻り縁が水平でない場合もありえますが、廻り縁の傾きを無視して水平墨を入れます.現物の傾きを無視して、理論的水平墨と理論的垂直墨を描くのが重要なポイントです.
②割り付け
奥の壁の巾は1680mmです.ここにどのように100x100mmのタイルを割り付けるべきでしょうか?
左右のバランスにこだわることにすると、下図の2つの割り付け方法が考えられます.
目地心割は、  40+100x16+40 = 1680mm という割り付けです.
タイル心割は、90+100x15+90 = 1680mm という割り付けです.
タイルサイズの差違が少ないタイル心割が仕上がりが美しいのでここでは採用します.
奥の入り隅の勝ち負けは、基本的にはどっちでも良いのですが、主視線方向から見て目地がみえない左の仕様にします.
出隅の勝ち負けは、目地が目立たない下図の左が推奨されます.
③墨入れ(その2)
100x100mmのタイル単品を貼るのではなく、9枚集成した300x300mmの集成品を貼ることとします.そのため上から300x300の墨を入れます.下図には描いてないけど、タイル心割で縦の墨も入れます.
下図のポイントは、あくまでも水平線に平行に300mmの水平線を描くことです.廻り縁から300mm降ろしたところに1st墨を入れます.そこから300mm降ろして2nd墨を入れます.さらに200mm降ろして3rd墨を入れます.この場合は3rd墨は200mmになります! そして最下部に40mmの半端な寸法が残ります.
ここで勘の良い方は、すでに頭がチリチリと嫌な感じになっていると思いますが、そうです、廻り縁が水平なわけないだろォがぁという懸念です.1st墨の位置は、最も下にオフセットした廻り縁の位置から300mm降ろしたところに墨入れします.ゆえに、廻り縁が激しく斜めっていると、目地の幅が不均一になるわけですが、それを許すという考えです.
廻り縁が斜めっている場面が出たついでに、出隅が垂直でない場合はどうするんでしょうか? これは柱とかドア枠が傾いている場面に相当します.で回答は、寸法が短い端からタイルを貼り始めます.下図のように目地が不均一になりますが、それは仕方なし.このポリシーを頭に入れて、垂直墨を入れるという作業をしてください.

④接着剤を塗布する前に墨をマスキングする
墨に合わせながらタイルを貼ります.墨が接着剤で隠れてしまわないように、墨の上にマスキングテープを貼って保護します.


⑤接着剤を塗布する
溶剤系接着剤なので、薄めたりせずにそのままくし目こてで塗ります.くし目こてとは写真の左端のこてのことです.










接着剤は30分ぐらいで固化してしまうので、30分ぐらいで貼れる範囲だけに接着剤を塗ります.塗布量が過多だと、貼ったタイルが下に落ちてきて難儀しますのでご注意のほど.
⑥マスキングテープを剥がす
④で貼ったマスキングテープを剥がして捨てます.


⑦すぐにタイルを貼る
墨に合わせてタイルを貼りますが、墨の合わせ方は下右図のようにします.線に合わせたほうが合わせやすいんです.タイルを貼って、曲がりを微修正します.曲がりを修正できるのは接着剤が固まるまでの30分ぐらいまでです.ただし、あまり派手にずらすと、接着剤が目地にはみ出してくるので注意が必要です.
⑧端部を採寸して切り欠く
半端な長さの端部のタイルを貼ります.タイルを割るには、タイルの表からけがいて、力でパキッと割ります.必要に応じて端面をヤスリがけします.これは陶器タイルだから割れるのであって、磁器タイルは割れません.
⑨端部を貼る
端部には、目地を設けます.
⑩接着剤が固まるのを待つ
実習ではたしか翌日まで置いたと記憶しています.

⑪目地材を練る
目地材はINAXのスーパークリーンという製品を使用しました.撥水性のある目地材で、バストイレ用となっています.キッチン用には耐油性のある別の目地材をつかいます.

バストイレ用は水で練ります. (キッチン用は付属の溶剤で練る)
がっ、これが撥水性のためとても水と混ざりにくいんです.バケツに最初に水を入れておき、目地材を入れ、ひたすら練ります.生クリームかカスタードクリームぐらいの固さに練ります.柔らかめの方が塗るときに楽でいいです.固まる前に、だいたい1時間以内ぐらいに使い切ること.
⑫目地材を目地に塗る
目地材を柔らく練っておいてよかったと痛感するのはこのときです.目地の中まで押し込まなければならないので、固練りだと全然目地に入っていかないので、柔らか練りであるに越したことはないです.また、塗っている最中にどんどん乾燥するので、目地が引きつれたりしてひ~ひ~言ってしまいます.くれぐれも柔らかめに練っておくべきです.
使う道具は、パテ盆とゴムこてです.ゴムこてで、まずタイル面にグチャっと目地材を置き、ゴムこての角で目地に目地材を入れます.余分の目地材をゴムこてで拭います.これを全面に繰り返します.
次に、少し乾いたところで、1cmぐらいの太さの棒で余分な目地材をこそげ落として仕上げます.
気泡で穴になったところとか、ゴミが入ったところが判るので、塗り直して修正します.
タイル表面をスポンジで拭き、つぎにウエスで拭いて、付着した目地材を完全に除去します.
⑬目地材の乾燥待ち
1~2時間でよいと思います.

⑭窓枠や入り隅へコーキング材の充填
窓枠や入り隅は衝撃で目地材が割れることがあります.そういう所はコーキング材で埋めます.対象箇所の両サイドをマスキングテープで覆って、コーキング材を注入し、へら(下左写真)または指で余分なコーキング材を取り除き、乾かないうちにマスキングテープを剥がします.下地に古いコーキング材がある場合は,コーキング材を剥がすへらもあります.(下右写真)










以上でタイル貼り作業の説明はおしまいです.

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