2011年12月25日日曜日

職業訓練 住宅リフォームシリーズ016 カーペット張り

前回の住宅リフォームシリーズはクッションフロア貼り作業でした.今回は、カーペットです.

カーペットの張り方にはいろいろな工法があるらしいですが、今回のやりかたはその一つです.グリッパー工法というらしい.

●下地を作ります
グリッパという巾20mm厚み6mmで剣山状の板を4辺にとりつけます.この剣山にカーペットを引っかけて固定するんです.カーペットを差し込む隙間として壁から5mm離してグリッパを取りつけます.
出入り口にはアルミの金具を取り付けます.
次に、フエルトをグリッパの内寸でカットしてタッカーで止めます.タッカーとはホチキスみたいな工具です.フエルトはグリッパに決して乗り上げないように少し隙間がある程度の寸法がよいです.また断面を斜めに切るのがよいです.

←出入口につけるアルミ材

●張る順序を考える
グリッパー工法では接着剤を使わないので、すぐに張り工程へ突入するわけですが、張る順序を考えましょう.柱のような障害物があればそこから張ります.難しいところは決めにくいので自由度が最大な最初に張るというのがその理由です.
下図は4辺が壁で,開口部が1つだけある単純な部屋で、こういう単純な部屋では下図の①~⑧の順で固定してゆくのがよいでしょう.
カーペットを張る作業の成否は、いかにしてカーペットをピンと張るかにかかっています.カーペットにビシッと張力を与えて、グリッパで固定するのがグリッパ工法の要点です.したがって、下図は①を固定したらその直後に固定するのは横方向に引っ張って②を固定する意図があります.③と④を固定したら縦方向に引っ張って⑤を固定する意図があります.そんなふうに貼る順序を決めます.
張力を与えるにはキッカーという工具を使います.なかなかけったいな工具です.先端は剣山になっていてカーペットに食い込みます.手前の黒いところは柔らかくなっていて、ここを膝蹴りすることでカーペットを引っ張るという工具です.ガンガン膝蹴りしてカーペットを引き伸ばします.

●カーペットを切る
カーペットを部屋の寸法よりも100mmぐらい大きめにカットします.
張り始めである①の辺だけは、カーペットの織り目に沿ってカットしておきます.カーペットの織り目はこの写真のようになっているので、織り目に沿ってカットすると壁際の仕上がりが美しくなります.カットには洋裁のハサミを使います.

●①の固定
カーペットを壁に対して少し余らせて①の部分のグリッパに固定します.グリッパに固定するのは玄能でこすって押しつけるのがよいです.その後へらを使ってグリッパと壁の隙間にカーペットを押し込みます.グリッパを壁から5mm離して取り付けたのはここの作業のためでした.
●②の固定
②を固定するためにキッカーで引っ張ります.張力を加えた状態のままでグリッパに固定します.このときの張力は思いっきり引っ張る感触でOK.テンションが緩いとカーペットが弛んで凸になってしまいます.

●③の固定
カーペットをカットするには、特殊なカッターを使います.このカッターはシムの枚数を変えたりガイドの突き出しを変えたりするとカーペットの余分長を変えられるようになっています.壁とグリッパの5mmの隙間をガイドとしてカーペットをカットするカラクリです.

カットできたら①と同様にグリッパと壁の隙間にカーペット端を押し込みます.カーペット端を押し込む専用工具もあります.

●④の固定
ここは出入り口なので下図のようなアルミの金具を取り付けてあります.アルミ金具の端面合わせでカッターでカーペットをカットします.玄能で押しつけてグリッパ金具に固定します.(最終的にアルミ金具をつぶして仕上げるがそれは最後でよい)


●⑤の固定
キッカーで張力を与えつつ、グリッパーに固定します.

●⑥⑦をカットし、壁とグリッパの隙間に押し込みます.

●⑧のアルミをゴムハンマーで叩いて潰します.

●カーペットの接合方法
カーペットの接合は熱融着で行う.カーペット接合部の下に熱融着テープを敷き、アイロンで接着剤を溶かしつつ左右のカーペットをあたかもファスナーを閉じるかのように接着してゆきます.アイロンはコテのような形をした特殊なアイロンです.
←熱融着テープ

以上でカーペットを張る作業はおしまいです.

タイルカーペットだともっと簡単ですね.

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