2018年1月10日水曜日

2017年アニメの感想について

2017年のアニメを振り返ってみます.わたしが最後まで観たタイトルを過去記事から拾ってみましたら22ヶありました.
  2017年1月期のひら記事
  2017年4月期のひら記事
  2017年7月期のひら記事
  2017年10月期のひら記事
放映月別にカウントすると、1月8作品、4月6作品、7月5作品、10月3作品 となりました.あからさまに右肩下がりです.しかし10月期は低調だったな.

【Aグループ】2017年を代表するタイトル
Just Because(10月)
クズの本懐(1月)
賭けグルイ(7月)
幼女戦記(1月)
冴えない彼女の育てかた♭(4月)
メイドインアビス(7月)
進撃の巨人 Season2(4月)
恋と嘘(7月)
2017はダントツ推しの作品が無かったせいで、これらに順位をつけるのは悩みます.それでも一応は上から順にランキングしたつもりです.

「Just Because」を1位にしたわけだけど、過去年のアニメシーンだったらJBが1位ってことにはならないと思う.3位ぐらいかな.それだけ2017年は低調だったということで...
アニメは捨象の美だと思うので、現実セカイから美しい物だけを掬い取ったJBのような作品が多数制作される事を望みます.JBスタッフの今後の活躍に期待します.

もしかして「クズの本懐」が1位ではなかったかとマジで悩みました.ひら的には、女流作家の描くエロ作品からはエロをあまり感じないのが通常なのですが、本作は花火の湿っぽくて乳くさい体臭が画面から伝わってくるところが良かった.本作のエロ評価点は高いです.

なんと「賭けグルイ」がこのポジションに?とわたしも驚きます.どうしてこんなに強烈な印象が残ったのだろうと我ながら不思議ですが、狂気のvoltageを尻上がりに描ききったスタッフの力量のなせる技ではなかったか?

「幼女戦記」は原作が面白いのでしょう.シニカルさがとても良かった.二期を早く作ってほしいが、劇場版が制作されるみたいですね.幼女である必然性がどこに在ったのかを考えるに、思いつかじ...

「冴えない彼女」は、点数のつけ方によっては本作が2017の1位かもしれない.実際にそれくらいの出来だった事は疑いようの無い作品でした.ただ、二期ゆえにマンネリ感に邪魔されたのは否定できず、少しばかり評価を下げました.ちなみにわたしは加藤萌でも英梨々萌でもない.わかってくれるよね.

「メイドインアビス」は設定が凝ってるのと、キャラのわりに血みどろホラーで良かった.二期が待ち遠しい.
「進撃の巨人」は興味深く、見入ってしまう.だが今回のは1クールで短すぎました.
「恋と嘘」は大好きですよ.とくに高崎さんが.しかしあの尻切れendingはなかろう.一体どうしたんだ?


【Bグループ】軽い気持ちで毎回楽しく観れたタイトル
ガブリールドロップアウト(1月)
覆面系ノイズ(4月)
サクラダリセット(4月)
ネト充のススメ(10月)
風夏(1月)
プリンセス・プリンシパル(7月)
小林さんちのメイドラゴン(1月)
「ガブ」はよかった、楽しかった.二期を希望.
「覆面系」は、作画は大したこと無かったけど、それを演出でカバーできていました.昔のアニメはどれもこんな風に演出でなんとかする作品ばかりだったので、懐かしかったです.第一話の発狂ライブは最高でした.
「サクラダ」は難解です.物語にはさほど面白味を感じませんでした.相麻菫さん、貴方は本当に中学生なのですか? 放映当時、都知事の小池さんが「リセット」を連呼するのを見ていて「サクラダリセット」観てるんだろうなぁと思ってたよ.
「ネト充」はチョロいストーリーですが、あれはあれで良いんでないかい? どうやってアニメの投資回収しているのかは謎だけど、、、
「風夏」は尻切れだった.二期があれば必ず観ます.小雪ちゃんの愛は少し重たい気がする.
「プリプリ」はクオリティ志向で制作されていました.こういう作風は今時珍しい.
「小林さん」は女性から評価高いみたいです.


【Cグループ】一応観たけど、残念な部分はあるよというタイトル
リトルウィッチアカデミア(1月)
正解するカド(4月)
ベルセルク(4月)
クジラの子らは砂上に歌う(10月)
はじめてのギャル(7月)
ハンドシェイカー(1月)
政宗くんのリベンジ(1月)
「リトルウィッチ」は古いアニメっぽい絵柄は好きなんだけど平板なストーリーでした.もう少し工夫できたらよかった.
「誤解するカド」という小説があるのには驚いた.原作者自身が書いたパロらしい.それはさておき本作は所詮は東映動画だなという作品でした.東映動画が野心を持ってもムダだという事を追確認しました.
「ベルセルク」は間延びしている.グリフィスをもっと出してくれ.
「クジラの子ら」はわたしの大好きなイシグロキョウヘイ監督だが、失敗作だったろう.アニメ向けに考えられたストーリー構成ではなかった.原作に忠実なアニメ化という大人の事情だと推察します.でもそれだったらイシグロさんではなくてもっと才能の無い人に作らせたらよかった.イシグロさんにはもっと自由にアニメ制作をしてほしい.
「はじめてのギャル」はまぁなんとなく.
「ハンドシェイカー」はわたしにとっては問題作でした.製作者は映像文法をことごとく破壊したかったようだ.しかし、破壊したら創造してくれないとイカンのですが、その域には達していなかった.
「政宗くんのリベンジ」はまぁなんとなく.先頭に”和田”を付けたら意味が激しく変わる.

【劇場版グループ】わたしが観たタイトルのみ、優秀順
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち
ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-
Fate/stay night Heaven's Feel
魔法科高校の劣等生 -星を呼ぶ少女-
GODZILLA 怪獣惑星
虐殺器官
生徒会役員共
はいからさんが通る
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
この中で観てよかったのは、ヤマトとSAOとFateでした.
GODZILLAはもう少し頑張りましょう.
虐殺器官以下のタイトルは、存在意義はさておくとすれば、ぱっと見の完成度はいずれも悪くないです.どんな人でもこのくらいの完成度をkeepできるだけの体制が現代日本のアニメ業界には備わっているんだね、と変な意味で感心しました.(とくに虐殺器官がそうでした)


------
以下は全体的な感想です.

【ロボットアニメについて】
2017年はロボットアニメがすっかり下火になりました.
すっかり「ラブライブ制作会社」になってしまったサンライズは、ロボットでお金を稼ぐ気が薄らいでいるみたいで、TV版ガンダムシリーズはもう作らないんじゃないだろうか? 鉄血ガンダムで掉尾を飾った監督がロボットアニメとは縁の薄い長井龍雪だったのは終焉の象徴かもしれないと思っています.

ちなみに、2018年1月期には「ダーリン・イン・ザ・フランキス」というロボットアニメが1つあるんです.あとマジンガーZが劇場公開されます.果たしてどうなりますか?


【TVアニメについて】
ヒラサカ視聴タイトルが、クール毎に8→6→5→3と漸減しているのも気がかりです.TVアニメはこの先も低調になってゆく気がします.

わたしが言う「TVアニメ低調化」は、押井守や宮崎駿の足跡から察することが出来ます.
わたしとしては、押井や宮崎にはTVアニメを作って欲しいと今でも願っています.たった2時間の劇場アニメを作るよりも遥かに心技体を酷使して、押井や宮崎が全26話13時間のTVアニメを作ったらどれだけすごい作品ができるでしょうか? もっとも、駆け出しの頃の押井も宮崎もしゃかりきにTVアニメを作っていたわけです.それが「うる星」や「コナン」でした.
だけどどちらも大御所になって劇場作品しか作らなくなってしまいました.劇場版の方が楽だし時給高いし名は売れるしですから、アニメ製作者は誰でもなるべく劇場版に行きたいんじゃないですか?

今後のアニメ業界は好調に推移すると予測されていますから、押井や宮崎ほどの大御所でなくとも、もっと駆け出しに近いアニメ制作者でも劇場版志向になると思われます.既に2016年辺りから有名アニメーターは劇場版に囲われていてTVアニメはペーペーな人がやっている、などと聞きます.

だから、総体的にアニメ業界は好況だけれど、TVアニメは低調化するという逆説的状況になるとわたしは予想しています.2017年のTVアニメにはその傾向がはっきりと出てきたのではないか?

振り返ってみると、DVD販売でアニメスタジオが潤っていた2006年、アニメ制作者達が嬉々としてTVアニメを作っていた年の作品群はこんなにスゴイですぞ.
「ゼロの使い魔」「銀魂‎」「BLACK LAGOON」「ゼーガペイン」「涼宮ハルヒの憂鬱」「スクールランブル」「攻殻機動隊 SAC-SSS」「コードギアス」
2017年にこれらに匹敵する作品が在ったと言えるでしょうか? いやない.

君は生き延びる事ができるか?

かしこ

0 件のコメント:

コメントを投稿