2017年5月1日月曜日

proxxonフライス盤をCNCに改造する (26) A4988の電流リミッタ設定のコツ → 初描画

本連載24回目にて、ステッピングモーターの電流制限を1.6Aに設定しました.その後A4988の最大値である2Aが電流制限値になるように定数変更しました.

さらに25回目にて、オブジェクトの塗り潰しを行う方法を調査しました.

だいたい環境が整ってきたので、ペンで一筆書きさせてみようかと思い、試運転などしてみました.

→Zステージにペンを取り付けた様子

透明アクリルは、100均で買った胡椒入れを流用しました.アクリルの厚みが3~4mmほどあるので強度があってよろしい.本体にネジ止めしました.

書道という文字のある部品は筆を流用して上下可動軸として装着.軸の中にはZEBRAのSARASAを差し込んであります.SARASAはインクの出がサラサラと良好です.

ペンを上に吊るのは輪ゴムで済ませました.

↓簡単な図形を描かせてみたのですが、きついトラブル発生!
目論見ではGOODのような図柄を描かせたかったところ、なぜかNGのような先細りで寸法も滅茶苦茶な図形が描かれてしまいました.
実は気になる挙動がありまして、、、
例えば「X軸よ20mm動け」というコマンドを繰り返し与えますと、最初の2~3本は一気に動くのですが、4本目以降ではなぜか、ブーン、ブーン、ブーンと約1mm毎に動作が断続するんです.arduinoのfirmwareがそういう操作をしているのかなと当初は思っていたのですが、なにか怪しい予感がします.

→ICの発熱が激しくて死に掛かっているのか?と、放射温度計でA4988の表面温度を測定しましたら、60度ぐらいでした.誤動作しまくるほどの温度ではありません.

←念のため、放熱器を瞬間接着剤で貼り付けました.
立てて貼り付けた理由は、寝かせると手前のコンデンサに干渉するからです.こんな小さな放熱器じゃぁ気休めの役にしか立たないと思います.予想通り放熱器で断続動作は改善できませんでした.

そこで次に電流リミッタを疑います.
A4988には電流リミッタが2つ載っています.
1)ICの定格電流2Aを超えさせない電流リミッタ1
2)ユーザーの好みの最大値を設定できる電流リミッタ2  (どのみち最大2A)

現状の設定では目一杯電流を流したいので、電流リミッタ2を2Aに設定してあります.この設定だと、電流リミッタ1で電流制限が効いたのか、電流リミッタ2で電流制限が効いたのか、判然としない使い方になってます.

A4988のデータシートをさらっと読んだ限りでは記述を見つけられなかったのでわたしの推測ですが、電流リミッタ1が働くと、0.3秒ぐらい動作停止するみたい.それが表面化したのが断続動作だろうと推測します.休んでいる期間は走行しませんから距離が短縮されてしまうというオチです.

↓ゆえにA4988の無難な使い方は、電流リミッタ1が働かないようにする.電流リミッタ2だけが働くよう1.8AぐらいにVRを設定しておくべきだと予想します.電流リミッタを1.8Aに設定して図形を描かせたら、GOODに描けました.

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初描画をさせました.直径100mmのひらまる画像です.オブジェクト内部を塗り潰しました.何度も往復するので、描くのに1時間かかりました.バックラッシュによる問題点が見られます.
描画の様子の動画です.

発熱を考慮して最終的に電流リミッタをこのようにしました.
 Xステージ      1.25A
 Yステージ      0.75A
 Zステージ      1.25A

Arduino firmwareのgrbl0.9の設定はこのようにしました.
$0=10 (step pulse, usec)
$1=25 (step idle delay, msec)
$2=0 (step port invert mask:00000000)
$3=0 (dir port invert mask:00000000)
$4=0 (step enable invert, bool)
$5=0 (limit pins invert, bool)
$6=0 (probe pin invert, bool)
$10=3 (status report mask:00000011)
$11=0.010 (junction deviation, mm)
$12=0.002 (arc tolerance, mm)
$13=0 (report inches, bool)
$20=0 (soft limits, bool)
$21=0 (hard limits, bool)
$22=0 (homing cycle, bool)
$23=0 (homing dir invert mask:00000000)
$24=25.000 (homing feed, mm/min)
$25=500.000 (homing seek, mm/min)
$26=250 (homing debounce, msec)
$27=1.000 (homing pull-off, mm)
$100=100.000 (x, step/mm)
$101=100.000 (y, step/mm)
$102=100.000 (z, step/mm)
$110=200.000 (x max rate, mm/min)
$111=200.000 (y max rate, mm/min)
$112=100.000 (z max rate, mm/min)
$120=10.000 (x accel, mm/sec^2)
$121=10.000 (y accel, mm/sec^2)
$122=10.000 (z accel, mm/sec^2)
$130=200.000 (x max travel, mm)
$131=200.000 (y max travel, mm)
$132=200.000 (z max travel, mm)

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かしこ

2 件のコメント:

  1. すごーい。
    ずっと読ませて頂いていてましたが、出来のよい推理小説のようです~。
    まだ終わってないですが。

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    1. 最終的にプリント基板を自作したいんですが、バックラッシュが大きすぎてきついです.

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