2016年2月25日木曜日

【信頼性】 LED電球もIKEAの椅子もよく壊れる件

当ブログでLED電球が壊れた件については何度も書きました.熱で死んでます.
 http://hirasaka001.blogspot.jp/2016/01/led.html  (★)
 http://hirasaka001.blogspot.jp/2015/10/led.html
 http://hirasaka001.blogspot.jp/2012/11/blog-post_3146.html
中華LED電球が低品質なのは仕方が無いとしても、日本メーカーでも熱設計がプアだったりする.ドライバ回路の電解コンデンサの短寿命さがLEDデバイスの長寿命さを帳消しにしている.「LED電球『10年もつ』に疑問の声 『また切れた』の声続出」でも同じ分析をしています.中華LED電球の場合は電解コンデンサ以前の問題であるがな.おぞ~
←上記★のリンク

もっとも、回路設計者の立場からすると、4万時間と云われるLEDデバイスの寿命よりも長寿命なドライバ回路を設計するのは難しいものでして、やればできるんだけど、値段が高くなって売れない商品になってしまうので、現実には4万時間を越えるドライバ寿命なんか誰も設計目標にしてないと思う.なので、日本メーカーのLED電球だから4万時間(デューティ40%で10年間)使えるとはひら的には思ってない

LEDのドライバ回路で死ぬのはいつも電解コンデンサ.電解コンデンサの中には液体が封入されていて、高熱に晒されると内圧が高まり爆裂すると、そんな死のイメージでだいたい合っている.LED電球の直接の死因はドライバICの焼損だったとしても、電解コンの劣化による電源汚染が引き金というケースが大半だと思う.老人の死因のトップが肺炎だと云っても、癌や糖尿で死に掛かっていたのが肺炎を併発した下地でしょというのと似たもの同士だ.

PCのマザーボードが死んだときにも、真っ先に疑うのは電解コンデンサの破裂で、こんな感じに脳天に穴があいてたりすると死亡している.
近頃のPCのマザーボードでは、固体コンデンサに置き換えられているのでマザーボードの信頼性は改善したはずだ.高温環境で運用したら1万時間でポコポコ死んだなどという運の悪さはずいぶんと減ったのではなかろうか??? (10年以上前、安物PCではままあった)
LED電球でもこの固体コンデンサを採用すれば、寿命は延びるはずだ.「固体コンデンサ採用」などという謳い文句のLED電球は見たことがないが、技術的には妥当な売り文句だと云える.だがしかし値段は上がってしまう.(値段が上がるといっても製品価格がに2倍になるほどではなかろうが)

たとえ電解コンデンサを使っても低温をキープできれば寿命はそれ相応に延長できるので巨大なアルミダイキャスト放熱器を装備すればよい.だがしかし、放熱器が巨大だと機器に取り付けできないし、値段が上がってしまって売れなくなってしまう.

かくのごとくLED電球の寿命と価格はトレードオフにあり、4万時間のドライバ寿命なんか誰も設計目標にしてないだろうと悲観的なのはそのためである.

LED電球設計者の創意工夫に期待する.

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信頼性と価格のトレードオフというと工業製品における高尚なテーマではあるが、IKEAの製品には「あまりにも信頼性を犠牲にしすぎではないか」という点でLED電球よりも不満がある.

↓オードリー春日がTV番組でIKEAの椅子を破壊してしまったというこのシーン.
↓我が家のIKEAの椅子(春日が破壊したのとは別の商品)にはこのように補強金具を後付してある.背もたれのつけ根が加重に負けて破損し、やがて寄りかかると背もたれが脱落して後方に倒れそうになったからである.4脚の全てで同じ傾向であり同じ金具で補強している.

「信頼性と価格のトレードオフ」という場合の信頼性って何だろうか?
 ・LEDが切れるのは「不満」
 ・LEDが燃えて火事になったら「裁判沙汰」
だから、品質保証の狙いとしては、「たとえ早めに切れるのは許すとしても燃えるのは厳禁だ」という狙いを定める.
ちなみにAV100V機器における安全規格も燃えない材料を使うこととか、有毒な材料を規制しているけれど、機器寿命が安全規格に謳われるケースってのはひら的には聞いた事が無い.

IKEAの椅子における信頼性って何だろうか?
 ・買った最初からギシギシいうのは「不満」
 ・背もたれが全数傾向で破損して後方に倒れたら「裁判沙汰」
のはずだと思うんだけど、IKEAの椅子は後方エビ反りによる「裁判沙汰」などというリスクは眼中に無いようだ.
良いんですよ、「こりゃぁ強度不足だから補強しよう」と行動できるわたしにとってはIKEAの椅子でも.でも世の中のほとんどの人は金具で補強なんかしないでしょう.IKEAはそれを経営リスクと思わないんだろうか? IKEAの品質保証部門の人のアタマからはネジが数本外れているか、接合部が破損しているように感じます.

そういえば、IKEAのクローゼットの組み立てでこんな経験もあったのを思い出したわ.
http://hirasaka001.blogspot.jp/2011/10/ikea.html

エイメン


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7 件のコメント:

  1. ライブ放送はこれだから怖いですね。

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    1. 番組のプロデューサは冷や汗を通り越して失禁ものでしたかねw

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3. ダボと当てがねネジ止め、この構造はあり得ない。
    椅子にはほぞ組が必要で、出来れば斜めほぞ(根本が太く面当たりで入りすぎない)にすると強度が上がります。

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    1. あの位置にダボを打ってもどれだけの強度を稼げるのかって思います.
      写真の角度では不明ですが、ほぞ構造なのですが、ほぞの厚みが薄いため破損しやすいです.3D-CADで描いたらよ~くわかると思いますがそこまでする気はないですがw

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  4. 金具は後からですか?木ねじで組織が弱りそこからヒビが・・
    ダボも強度を下げますが、おそらく抜け止めでは・・
    ほぞ・・元は禁止用語ですと
    断面積と急な変化でそこが弱点・・根本太めで先は細く一番合理的ですが、
    めり込むとほぞ穴を割ってしまうので止まり構造にします。
    もうこんな設計はお目にかかれません。

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    1. 金具はわたしがあとづけした補強です

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