2016年2月16日火曜日

【世界観】 理系と文系って子供時代から物の見え方が違うみたいだ

中学生は学年末試験の季節ですね.ほとんど居ないと思うけど、当ブログの中学生読者の皆さん試験がんばってください.

かく云うわたしは、中学生の子供の中間試験・期末試験のときには家庭教師みたいな役をするのである.学年末試験の10日前になったので、今晩からは家庭教師になる.

その子供を観察していて、こいつは理系科目はダメだなぁと思う.理系科目が苦手な人は高校2年生で文系に進路希望を定めるのだろうが、理系と文系の分かれ目は早くも中学生頃には決定しているんだな、と思うようになった.

かつて文系女子とこんな会話をしたことがある.(物理学不感症の事例)
 A子 「あたし、(高校の)物理が全然わからなかったわ」
 ひら 「え、なんで? あなたオレよりも偏差値高いでしょうに」
その時わたしは、偏差値が人並み以上なのに高校物理ごときを理解できなかったというA子の発言を理解できなかった.

判らない系の他の例を挙げると、(マクロ経済不感症の事例)
 ひら 「マネーサプライを増せば円安になりますよねぇ」
 B氏 「なんで?」
 ひら 「それは円の流通量を増やすと価値が希釈するからです」
 B氏 「それがわからない」
 ひら 「えぇぇ? 判らない理由がわからない」
野菜の豊作貧乏→通貨の豊作貧乏と主語を置換しただけの理屈なんだけど、判らん人には判らんらしい.
判らないのは仕方が無いが、罪な面もある.
消費増税しないと国家財政も福祉も破綻するという財務省のプロパガンダに感染しちゃう人っていうのは、基本的にはマクロ経済不感症タイプなのではなかろうか? 価値は労働でのみ創造されるというマルクス理論を”理解できちゃう”人も同タイプではなかろうか?
そういう人に言いたい.日本国民一人当たり830万円と云われる日本国の借金を日本国民の労働対価で全額返済する必要なんかそもそもないのだが、マクロ経済不感症な人にとっては恐らく、国家財政と通貨と労働価値とがガッツリとリンクしたセカイ認識しか出来ないんだろうねぇ.そんな堅苦しいセカイ観を持たなくてもいいんだよ、と諭して楽にしてあげたいものだがな.

ちなみにわたし自身は「運動神経発達不全症」です.スポーツが判らない.
http://hirasaka001.blogspot.jp/2012/02/blog-post_26.html

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理系科目が苦手な子供のハナシに戻る.

子供の場合、数学を数学的センスで理解していない.
ある文字式がある.文字式=0と決めうちすると方程式になる.そのイメージを持てていない.
9は「九つ」という量である.Xも「何か」という量である.そのイメージを持てていない.
だから2(X+4)をX+8などと展開してしまってその間違いに気付けない.

子供の場合、理科をサイエンス的センスで理解していない.
低温では水分子の運動が低下する→溶質結晶に衝突する威力が低下する→溶解度が低下する、、、という「物質の都合」をイメージ出来ていない.だから水溶液の温度が下がると溶質が析出する気持ちが判らない.機械的学習だからテストでチョンボしてしまう.

やがて子供が高校の物理を学ぶときには、カーブを走行中の車両に加わる力を重力と遠心力にベクトル分解する意味を判らないんだろうなぁと思う.その判らなさはA子の「高校物理が全然判らなかったわ」と同質なのだろう.「自然の都合」を理解する脳神経回路がないんだろう.

そんな子供にも得意分野がある.
山の手線で新型車両を導入し、それが順次ローカル線に移管され、ゆえに大阪環状線には今でも103系が走っている、などという「人の都合」に属する要件ならばやたらと物知りなのだ.

人の都合、自然の都合、数学の都合、資本の都合、スポーツの都合、、、、対象物はいろいろある.どれなら理解可能なのかは人それぞれ.

ヒラサカ的には、「自然の都合」に属する事象は尊いし興味大だけど、「人の都合」に属する事象は下賤だなと思うのでなるべく関わりたくない.そういう奴はビジネスに不向きな奴だっていうのは理解しているがね、でも理解と動機は別だから.
耐震診断の仕事を少しやっていて、「誰にも好かれていない仕事」だと思う.なぜなら発注者の動機からして後ろ向きなんだもん.耐震診断・耐震補強マニアなんか大学教授ぐらいしか居ないわけだ.だけれど耐震診断を発注する人は、行政の助成金をもらえるのは今期だけみたいな動機付けに背中を押されて発注するわけだ.そんな後ろ向きな仕事だけど、耐震診断専門の事務所を経営する人が居るのはなぜかというと、その経営者は「人の都合」に対する理解と動機を完備しているので、何であれ「人の都合」にフルコミットメントするのを厭わないのだと思う.と同時にそういう経営者と接しているとつくづくヒラサカとは異なる人種だと思う.
「貴方がその仕事にフルコミットメントするのはどういう価値認識に基づくのですか?」
という疑問符が浮かぶヒラサカは、「意識高い系の亜種」という先天性の病魔に冒されているのかもしれぬ.おぞ~(笑)

「人の都合」に属する「教育」にも当然のごとく不熱心なヒラサカとしては、「数学は捨てて、社会で点数稼いだらどう?」などと投げやりなアドバイスを子供にしているところだ.

人が主語というセカイ観で生きている子供にはセカイがどういう風に見えているんだろうか? 物と論理が主語というセカイ観でしか世界認識を出来ないわたしとしては、とどのつまりそこが謎なのである. (唯物主義者だと告白したいわけではない)

かしこ


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2 件のコメント:

  1. 理系でも、サイエンス的センスで理解していないのでは?って人もいますけどね。
    トライボロジの専門家と自称する人がいて、「表面凹凸の穴ぼこにoilが溜まる絵を描くのは間違い。一定の厚みで塗られてるはず。」って宣ってました。
    表面エネルギーとか毛細現象とか親油性とかを理解してなかったようで、驚きというか唖然としました。

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    1. 世界認識がトチ狂った人っていますねぇw.そういう人が自分の前に立ちふさがるとそいつとの戦闘に手間を割かれるので大変です(泣)

      情報処理能力と世界認識力とは別の能力で、両者を併せ持つ人にたまに会うとスゲーと思います.情報処理能力だけの人はザラにいるけどそういう人ってどこかで聞いた風で退屈です.

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