ご苦労様です、東芝様

社長自らが陣頭指揮をとって違法な経理操作をして利益を嵩上げしていたという東芝様、そのあまりにもアツすぎる経営者魂にはご苦労様ですと申し上げます．

違法経理問題の最初のニュースは原発だったか、ともかく重電系の事業だったと記憶しています．期をまたいで投資が続く事業では、投資を今期の経費に組み入れるべきか、来期の経費にするべきかに意見の違いが生じうる微妙な問題と思われ、高々そういった期ズレ問題を国税に指摘されただけでしょ？と気にしていなかったわたしでしたが、甘かったですねぇ．

社長が指示してわざと投資や調達の期ずらしを行い、さらにはその期ずらしが発覚しないよう、先食いした利益を徐々に減らしていった最中だったというのですから、その企業コンプライアンスの逸脱度合いの大規模さたるや、聞くだに腰が抜けそうになります．
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGD22H8F_S5A520C1EA2000/

東証２部の中規模企業が全社一丸となって粉飾決算なんかやったら、フツーは上場廃止だと思うんですが、連結売上高６兆円の東証１部上場優良企業が全社一丸となって粉飾決算をやっても影響が大きすぎて上場廃止なんかできないんだろうなぁ．
中国の株式市場が、中国共産党の相場操縦による不透明な市場だというのは、今般の上海総合の暴落過程で慌てふためいた当局の場当たり的な介入（売買禁止とかｗ）を見れば判ります．けれど、これで東芝をtoo big to failゆえに恩赦してしまったら、日本の株式市場もあまり中国を嗤ってばかりもいられないのではないでしょうか？ アングロサクソンの国だったら、天文学的な課徴金を課すでしょう（５０００億円とか）．そうでなくともUSAの株主にUSAで訴訟されてボロ負けしたりしないかね？

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ただ、コンプライアンスをかなぐり捨ててでも経営するという「アツい経営者魂」には敬服します．うらやましくもある．東芝って、重電畑出身者と、半導体畑出身者と、PC畑出身者、、、の派閥抗争で社長人事が熾烈で、功を焦るあまり経理操作をしたのだというニュースを読みました．

オレが次の社長になるんだ！っていう抗争はその企業に活気がある証拠です

ソニーなんか、次の社長になりそうな人はいるけど、「オレがオレが」っていう活気はないですから．

小説を読んだわけではありませんが、「ローマ人の物語」には、

傍流出身者がトップに就くようではその組織は斜陽化している

と書かれているそうです．その通りだと思います．ソニーの場合は事業に活気がないから次の社長になりたいという意欲が湧かないんだと思う．現社長の平井さんなんかUSAの販社の出身じゃなかったかなぁ．それで社長になるんだから、どんだけ活気不足なんだってわけで．

その点東芝は、ワールドワイドで活気のある事業が複数在って、「俺が社長になる」と言いたい人がたくさん居るのでしょう．それはうらやましいと思ふ．

わたしにとって馴染み深い弱電では、ワールドワイドの先端を走る覚悟で半導体プロセスをやり続ける企業は東芝だけしか残らなかったもんね．あの大日電(NEC)があんな落ちぶれ方をするとは１９８０年代には微塵も予期しませんでしたわ．

がんばってくださいよ、もう東芝さんしか居ないんだから．（少なくとも半導体は）

エイメン


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