2014年1月6日月曜日

【フリエネ】 UFO学者 清家新一

清家新一っていう人は、1980年代には最も有名なUFO学者(そんなのあるか?)だったのではないでしょうか? その著作はこんなものがありまして、まさにUFOの推進原理一色という独自のセカイです.いまはなき大陸書房という土着っぽいマイナー出版社がこれまた独特の雰囲気.これらは出版年順に並んでいます.「超相対性理論」が昭和47年、「消えた地球重力」が昭和59年.わたしは学生時代(S58~S62)にこれらの書物を収集しました.
第1巻では、清家氏が予想するUFO機関の理論が書かれていて、2巻ではそれを実現するための具体的構造が示され、第3巻では、自作マニアから浮上したとの報告があったと、面白い展開になっています.

清家氏はこれらの書籍の他に、自費出版(いまでいう同人誌)の「宇宙艇」というのを出版していて、一時期はわたしも購読していましたが、捨ててしまってもう持ってません.

↓これが清家氏のUFO機関の図です.可動部はありません.コイルとコンデンサと外部駆動回路から成ります.わたしはコイル部分の結線を読んでも理解できません.一番下にあるディスクは、コンデンサに使われるチタン酸バリウムに3ヶ所穴が空いています.穴に金属球が埋め込まれていて3極コンデンサを形成しています.金属球に高周波3相交流を与えます.三相交流が作る位相速度が光速を超えると、物質がマイナスエネルギーに落ちてこの装置は浮上するのだっ!というような仮説です.わたしはコイルの作用についてはよく判っていません.直径10cmの円周上に金属球が配置されているとすると、480MHzで駆動すれば位相速度が光速を超える(たぶん)ので、なんか趣味で作れそうな気がしてきます.自作心をくすぐられます.
ただ、位相速度は位相速度であって、実際に物体が光速度を超えて移動しているわけじゃありません.そこらへんがありゃりゃなところです.結局再現性のある検証結果は得られなかったようで、後半になるとこの原理からはだんだん遠ざかっていった清家氏でした.

代わりに、クライン巻きのコイルで重力消失というのにこだわりを見せていきました.下図は導線を結び目のように巻いたコイルを示しています.これだと円環電流ではなくなって、L成分が生じません、ただそれだけ、と思いたいところですが、清家氏はここにクラインの壷のような電流の流れを見ます.そのクライン電流によって反重力が生じると仮説しました.
そして、このビデオの実験を通じて重力が消失したと結論しました.しゃべっているのは清家氏です.ビデオでは-10gぐらいまで行ってるように見えます.
でも、でもですね、これって、電子天秤のオペアンプのDCドリフトじゃないでしょうか? というか、そう思うのがひとまずフツーの技術者・科学者であって、その仮説を検証せずに軽くなった=重力消失と結論するのにはチト無理がある.

同時期に、インバータゲートのリングオシレータを電子天秤に乗せて軽くなったとも言ってました.半導体内のホール(正孔)流がマイナスエネルギーだから、という仮説だったかな? さずがにわたしはついていけませんでしたが.よしんば半導体内のホールが全て浮上力に転化したとして、ホールの個数が何個で、×電子質量だと何マイクログラム軽くなると予想される、みたいな推定値ぐらいはすぐ計算できそうなもんですが、清家氏はそういう些末なところには興味がないようでした.

この10年後ぐらいにもう一冊本を出版され、清家氏は2009年にお亡くなりになったそうです.(wikiによる)     清家氏の仮説は成果を生まなかったようですが、お祭りの御輿として一時期のUFO・フリエネ業界を湧かせてくれた、そのように思います.ご冥福を祈ります.

かしこ

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40 件のコメント:

  1. ソニーOB:佐藤2014年1月6日 23:27

    木曜スペシャルで放送されていた矢追純一のUFOシリーズからUFOに興味があり、その頃に創刊された”UFOと宇宙”という雑誌を本屋で良く立ち読みしました。
    実は木曜スペシャルは大分では放送されてなく月曜日の11PMで番宣でUFOやっていたんですよね。それを観ていたというのが本当のところです。番組中に「このあとの詳しい事は今週の木曜スペシャルで!」と言われると、大分じゃやってないんだぞ!と言いたい気分でした。子供でしたがUFOシリーズだけは親は見せてくれました。
    ところで”UFOと宇宙”を検索したところバックナンバーは読めるみたいです。とっても懐かしいです。詳しさでは平坂さんには敵いませんが、UFOに興味を持ったのが早かったという事では先輩になるかも?

    そうそう”UFOと宇宙”バックナンバーは以下のHPです。PDFで観られます。
    http://www.adamski.jp/ufo/cosmo-dld.htm

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    1. 「UFOと宇宙」は知りませんでした.最終巻が1977らしいので中学生頃ではありましたが、当時は「初歩のラジオ」とか「ラジオの製作」ばっか読んでたからでしょう.

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    2. ソニーOB:佐藤2014年1月7日 0:17

      私は子供の科学でした。
      本屋で立ち読みはUFOと宇宙、子供の科学、初歩のラジオでした。
      あとは当時結構あった心霊写真集です。すげぇとは思いましたが夜眠れないような事は無かったなぁ。

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    3. 「初ラ」「ラ製」と略されていました.「子供の科学」の省略形は記憶にありません

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    4. ところで、学研が誇る長寿雑誌、かどうかはしりませんが「ムー」は1970年代当時からありましたでしょうか?

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    5. ソニーOB:佐藤2014年1月7日 14:39

      ムーは1979年(昭和54年)の創刊のようですね。
      その頃はUFO熱も冷めていたので雑誌は知っていましたが読まなくなってましたね。その頃は平凡パンチや週刊プレイボーイの立ち読みが多かったですね。
      1979年というと同じ学研のBOMB!見ていたなぁ。普通の学生ということですかねぇ。
      当時は五島勉のノストラダムスの大予言の新刊読んでました。興味はUFOからそっちに移ったようです。
      初歩のラジオはBCLの記事がある時には買っていました。

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    6. パンチ、PBはあまり手に取らなかったですが、BOMB!はチラチラ見ていました.パンツの穴だったか投稿が楽しかったわたし.「GORO」はまた微妙に時期がずれてるんですよね.

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    7. ソニーOB:佐藤2014年1月7日 16:54

      菊池桃子が好みでした。
      GOROですか。ちょっとだけ後かも?

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    8. 菊池桃子は品川区荏原の出身で、弟がいるそうです.同じ品川出身で同年代のegobarのマスターによると、、、、、まぁいろいろあるのですが、ともあれ菊池桃子はデビュー前から近隣の学校では可愛い娘がいると有名だったそうです.そりゃぁあんだけならわかるってもんです.

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    9. ソニーOB:佐藤2014年1月7日 22:59

      調べてみるとGOROは1974年創刊だそうです。そんな古いんだと思った次第です。
      イメージでしかないけれどGOROというと”桂木文”というイメージです。
      中学生の頃って同級生よりも女子高校生の方がどきどきしました。少なくとも私はそうでした。それでいて黒のストッキングなんていったらどストライクでした。

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    10. 桂木文、超萌えですっ.「とんだカップル」のドラマ版ですっ.

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    11. 亀レスですが、子供の科学の略称は「子科(コカ)」だったと思います。

      桂木文は離婚記者会見(?)をおぼろに覚えています。
      いま、ちょっとググってみたのですが、ワタシと同様に、桂三木助との離婚だったと思い違いをしている人が多いのは何故なんだろう???

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    12. なんと「子科」でしたか、やっぱ疑問はネットに書いてみるもんです.

      桂木さんは、どっかの社長と結婚したんだったか、もといマネージャだったか、そんな境遇だったと記憶してますが、あまり幸福じゃなかったみたいですね.
      行きつけの美容師さん(男性)が、かつて桂木文のヘアスタイルをやったことがあり、離婚後で「誰かいい人いないかしら」なんてとろけるような会話をしたことがあると聞きました.想像するだに幸福でめまいがしそうです.

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    13. とある団体のイベントに「来ないか?桂木文も来るぜ」と誘われましたが、行きませんでした.とんだカップルの後ぐらいの時期だったと記憶しとります.

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    14. 亀レスですが、黒のストッキングフェチのビデオなら秋葉で入手可能です.たぶん、網が粗いタイプと細かいタイプとで好みが別れるのじゃないかと思うので、ビデオは両方あるんじゃないかと思います.

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    15. ソニーOB:佐藤2014年1月8日 2:41

      黒ストッキングフェチは今では特にないですね。高校生の制服の黒いストッキングと限定でした。
      ところでやはり日本テレビの知られざる世界(日曜日PM10:00かな?)ではよくフィリピンの心霊手術ってやつやってましたね。
      結局あれってなんだったんでしょうね。今だとBPOでひっかかりそうです。
      そうそう今日の夜の番組(フジだったかな)芸能人のお悩み相談みたいな番組でスピリチュアルセラピストなるものが出てました。子供の頃から人のオーラが見えるようになって、若いころに骨肉種でひどい痛みを経験してからそのパワーが増して、その人の過去から未来まで見える人ってやつです。
      ここまでいくとやはり番組としてはやり過ぎではないかと。。。。。
      美輪明宏レベルで止めておくのがよろしいかと思います。
      こういうのって詐欺師か大嘘つきか酷い妄想家としてしか見えません。
      島田秀平やゲッターズ飯田が出るとチャンネル変えてしまいます。

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    16. 1月26日と28日にユーロスペースで「愛しい女」上映されますね。
      http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=442







      と、思ったら、去年の記事だったー…。

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    17. 相米監督、、、こんな上映会やってたのか.そしてユーロスペースは昔アニメの上映会で何度か足を運んだことがあります.相米版とんだカップルは薬師丸なんですよね.「愛しい女」は知りませんでした.こちらの下の方に寸評がありました.
      http://yaplog.jp/squintofmm/monthly/200612/

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    18. 昭和30年代の初歩のラジオに少しの期間ですが、東海林さだおが漫画を連載してていました。確か7コマ漫画。国会図書館で読んだことがあります。
      デヴュー間もない頃でしょうね。

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    19. 長い間、東海林はもれなく「しょーじ」と読むという定説を信じていましたが、「いえ、ボクは『とうかいりん』なんです」という人がいて長い名前だと思ってしまいました

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  2. ソニーOB:佐藤2014年1月6日 23:34

    さっき見つけたHP(UFOと宇宙は小学生の頃から読んでいた)ですのでちょろっと流し読みしていますが、広告がなかなかおもしろいです。こんなの買う奴いたのか?って感じです。
    創刊号よりは後ろの号の方が広告がいいかも。
    とりあえず情報でした。

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    1. 広告が、OLIMPUSとか天体望遠鏡、双眼鏡ってのが実利的ですね.UFOウォッチャーの必需品ってことかと.編集部がOLYMPUSに広告を取りにいったんじゃなかろうか?のどかですなぁ.

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    2. ソニーOB:佐藤2014年1月7日 0:13

      広告は一流どころではなく、ESP開発キットだとかそういう商品の事なのです。
      平坂さんが紹介している本に載っている内容だと思いますが、No.21に清家新一が書いた理論などが書かれております。

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    3. ああそっちですか、今はなぜかそういうの売ってませんね.ユリゲラーから長い月日が経ってしまったからでしょうか?

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  3. クライン巻きについて、とっとみ変ですが、磁力線計算をすると、普通のコイルと何ら換わりません。
    モーターと言えば ローレンツ フレミング マックスウエル につきます。
    光速を越えると質量は無限大になるとアインシュタインは言っています。
    ディラックは全ての場は何かで満たされていると言い真空はいわば鏡の裏で、此処にも充ち満ちています。
    もしここからエネルギーを取り出せば、おそらく最大の不幸に遭遇すると思われます。

    当分の間宇宙時間ではほんの少しですが、生物が恩恵を受けられるのはおそらく太陽しか有りません。此を無駄に使うことなくいければそれが地球の寿命となります。

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    1. ある日地上のどこかの研究室でビッグバンが起きてしまったら困りそうです

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  4. 近代における 憲法の意味。
    http://www.youtube.com/watch?v=5MQT3Lib6rY
    増税は良いけれど、貧困層から取って富裕層を厚遇する今のやり方はおかしい。

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    1. CGSはいつか観ようと思うものの、まだ観てないんです.

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  5. ソニーOB:佐藤2014年1月7日 23:12

    結局都知事はマスゾエで決まりか?!って動きの様ですね。
    幹部も戦々恐々かな?

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    1. へーっまじ? 自民から追い出した人を自民が支援することになったとか!?

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    2. 強いて言えば桝添がマトモな候補に思えなくもないというこの状況が情けない.投票率が鬼のように低くなりそうな予感がします.

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    3. ソニーOB:佐藤2014年1月8日 2:47

      今日中に自民党は態度を決定するようですよ。どうも支援の方向に進んでいるみたいです。

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    4. 自民党的には石原慎太郎の長男が出るのかと思っていましたが、噂にすらなりません

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    5. 選挙は入れたい候補が居ないと棄権しか有りませんが、それでは相手のつぼにはまる、諸悪の根源です。
      投票率が何パーセントを切ったら無効になる国もありますが、
      それでも候補者がなければ、黙阿弥。
      選管関係はすっごく厚遇されすぎ(日当いくらか知っていますか?)、ある程度金がなかったら立候補できず、(億単位)、票がなければ、供託金召し上げはあんまりです。

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    6. 昨日、うちの近所ではポスターを貼る立て看板を立てていました.お金かかりそうです.民主主義にはお金がかかるなぁ、と言ってみる.

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  6. 「ホールの個数が何個で、×電子質量だと何マイクログラム軽くなる」
    ミリカンにたのべば良かったんですよ。

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    1. 大喜利的にうまい! 座布団3枚進呈

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  7. たかちゃん2020年3月31日 9:37

    だいぶ前の記事へのコメントすみません。
    清家さんの本は昭和50年代頃は普通に図書館の工学書コーナーに
    置いてありましたね。
    当時小学生だった私もやはり興味持っていろいろ読んでいたし、
    もっと後になってから四国の墓場の研究所wwまで清家さんに会いに行ったこともあります。

    当初は「重力研究所」という名前でしたね。
    このネーミングはなかなか格好いいなと思っていたのですが、
    後に「宇宙研究所」というまったく曖昧、月並みな名称に変更になってガッカリした覚えが
    あります。
    ちょっと脇道にそれますが、シンクロナイズドスイミングが一昨年くらいから
    アーティスティックスイミングに変更になりましたが、これも、芸術的水泳??
    曖昧模糊としていまいちナンセンスだなあww

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    1. 宇和島まで行かれましたか、それはすごいです.
      wikiによると清家さんは2009年にお亡くなりになったそうですね.
      日本のマッドサイエンチストとして面白い人でした.

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    2. アーティスティックスイミングはどう略されるのでしょ? 語呂悪い.

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