2012年10月16日火曜日

介助用リフトを作ってみよう (その2) 謎のレーザー距離計

介助用リフトを作るために購入した道具があります.

天井に墨を入れるのって、巻き尺で作業するのが大変です.それで、以前建築系のアルバイトをしたときに初めてつかってスゲェ便利だと思った「レーザー距離計」というのを買ったんです.Amazonで¥9700と安価ではありませんが.
これは、先端から赤色レーザーを射出し、反射光の戻り時間で距離を算出する仕組みだと思われます.下図のように12m37cm4mm離れた壁までの距離を測定するときには、往復で光の速さで82.4933nSecかかりますので、高速なカウンタで時刻を測定すればOKです.たぶんこういう原理だと思います.
「思います」というところがわたしの確信の無さでありまして、この測定器の測定精度が、測定分解能1mm、測定誤差±1.5mmっていうところがスゴすぎるから自信がないんです.
光の往復時間で1mmを測定できるってマジですか???
ちょっと信じがたい精度です.

試算してみます.
1mmの分解能ですから、往復で2mmの距離を光が進む時間を計算すると、
2mm ÷ 3e8m = 6.667pSec
なので、1mmの分解能を達成するためには、わずか約7pSecの時間分解能でカウントしなくちゃいけません.
7pSecの時間分解能のカウンタを動かすには、
そのカウンタのクロック周波数は143GHzが必要です
143GHzで動作するデジタル回路ってちょっと信じがたいです.Corei7とかのCPUですら内部動作周波数3GHzとかですからね.143GHzって気が遠くなります.
しかも、この道具は、
単三電池2本で丸一日使えるような低消費電力ですので、
そんな電力でどうやって1mm精度を達成しているんでしょうか?

別の可能性としては、赤色レーザーが単純なパルスではなくて、AM変調されていて同期検波するとかも考えましたが、レーザーダイオードをGHzオーダーの信号でAM変調するのっていうのも、わたしの知識の限度を超えています.

というわけで、この道具は便利だけど「謎の道具X」なんです、わたしにとって.

かしこ

 
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3 件のコメント:

  1. 当然のことながら、直接時間を測定するのではなく、元の波形と反射波の位相差を検出するのだそうです。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E6%B3%A2%E6%B8%AC%E8%B7%9D%E5%84%80

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    1. 位相差っていうと、いわゆる干渉計なんですかね?? 光波工学には疎いので意外とスゴイとかいえないわたくしなのでした.

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    2. 私は専門家ではないので単なる推測ですが、光波工学なんて難しいものではなく、反射したレーザー光をダイオードで電気信号に変換して、元のレーザーをドライブする信号と重ねているだけだと思います。

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