2012年4月4日水曜日

職業訓練 住宅リフォームシリーズ 030 配管工事7

間が空いてしまいましたが、配管工事の続きで、模擬家屋への配管工事です.
  7)模擬家屋の配管         ←今回はこれ
  8)水洗トイレと洗面台の取りつけ

下図のように複数の模擬家屋が並んでいます.間に50cmぐらいの通路があります.この通路に給水+給湯+排水をつくります.管の行き先は教室の蛇口あるいは排水管へ接続します.
模擬家屋には洗面台とトイレを取りつけます.洗面台とトイレの取説を読むと、壁のどの高さに穴を開けるべきかがほぼ決まります.それを描いたのが下図です.下図は洗面台とトイレの壁です.縦の二点鎖線は壁の中に埋め込まれた柱(スタッド)でしてこれを避けて穴を開けざるを得ないので、洗面の給湯の穴を10mmほど左にオフセットさせています.配管の太さは、給湯給水=13mm、洗面排水=40mm、トイレ排水=75mm としてあります.給湯給水は13mmでおきまりでOKです.洗面排水は40~50mmでOK.トイレはうんちを流すので太くないと詰まってヤバイのでかならず75mmにします.
上図のように、取りつける器具の都合で壁の穴位置はほぼ一意に決まってしまいます.次に、通路の空間に配管をどう納めるかで少々悩みます.マジメに寸法図を描いてみたのが下図です.この図は通路の配管の断面図となっています.青い管は給水赤い管は給湯黒い管は排水です.
青と赤の配管は壁から何cm離して降ろして、床から何cm浮かせて走らせるかだけに留意すればOKなので考え方は簡単です.
悩ましいのは排水です.排水は必ず下り勾配で走らせないと詰まってしまいますから、メイン排水管の高さは、行った先の配管結合高を起点に1/100の登り勾配でここまで走ってきますので、ここの高さが258mmと一意に決まってしまいます.ゆえに、トイレから出てきた配管を微妙な角度で下に曲げて258mm高さのメイン排水管に結合できますか?というのが課題になります.下図を見るとわかりますが、トイレから出てきた排水管を微妙な角度の部品で下に曲げています.この曲げ部品は、90度、45度、22.5度、11.25度のバラエティの部品が売られています.45度曲げだと急激に下を向きすぎるのでメイン排水管の下を空振りしてしまう.22.5度ならうまいこと結合できる.11.25度だとメイン排水管の上を空振りしてしまう.というようなシミュレーションを図面を描いてやってみる必要がありました
配管の断面図をここまで決めたら、アイソメ図を描ける段階になります.アイソメ図を見れば配管を切断する寸法がわかるようになりますので工事に着手できます.ちなみに、メイン配管にチーズをつけて分岐させる箇所の寸法は現物合わせで決めましたので、寸法を記入してありません.
ようやく設計が済んだので、以下で施工手順を説明します.

①壁の石膏ボードに穴あけの墨入れをします.スタッドが邪魔なのでスタッドをまたぐように穴位置を決めます.

②石膏ボードに穴あけ.D900,D50,D35のホールソーを使いました.

③通路の床面に配管の中心線を墨入れします.
-給水管   スタッドから60+12mmの場所に這わせる
-給湯管   スタッドから90+12mmの場所に這わせる
-排水管   通路のセンター(=スタッドから246mm)
-排水管   勾配をつけなくちゃいけないので、壁に上端の寸法を墨入れ(1/100勾配で)

下左図は反対側から見た図なので給水給湯が右側にありますがゆるして.排水の高さを決めるために部屋を暗くしてレーザーを使いました.レーザーは高価なんだヨ.
























④下げ振りで壁の穴の直下の位置に墨入れします.指金を2本つかって作業しました.いやはや指金って便利な道具ですね.通路が狭いので大変でした~.以降の作業でメイン配管を切断するときにはここで描いた床の墨に合わせて切断します.














⑤床の墨にチーズなどの部品形状を墨入れすると間違えずに作業ができますのでお好みで描きます.

⑥13A-VPを切断、接着します.(下図)   ここで13A-VPということは、VPはビニールパイプなので給水管だと判断できます.

⑦13A-VPの仮固定.下図のようにバンドで床に固定しました.中心高さが20mmなのでバンドで5mmぐらい浮かせて固定すればOKです.
⑧13A-VPの曲がった先に水栓を接着します.水栓は壁とツライチになるようにします.

⑨13A-VPを壁に固定します.下左図の金具を使いました.固定金具を締め付ける前に傷防止のためテープを巻いてもよいでしょう.固定金具は60mm長のものです.12mmの板と合算して72mmだけ壁から浮いてるに仕上がります.


⑩1/2B-Cuの切断、ハンダづけ.(下図)  ここでCuとは銅のことですので、給湯管だとわかります.

⑪1/2B-Cuの仮固定.床から50mm浮かせて固定することにしたので、板きれで浮かせます.
⑫1/2B-Cuの曲がった先に水栓をハンダづけします.熱が回らないように塗れた布を軽く巻いています.金属固定金具の取りつけ状態もこの写真でわかるでしょうか?
⑬1/2B-Cuを固定します.固定金具はゴムカバーつきで90mm長のものを使いました.銅管なのでカチャカチャと音を立てないようにゴムカバーつきを使うんだと理解しています.金具90mm+板12mm=102mmだけ壁から浮いた状態で仕上がります.
⑭排水管の切断、接着します.(下図)

⑮排水管を床に固定します.固定金具は床にネジで固定します.このとき、勾配を1/100にするため排水管の上端を指金で壁の墨に合わせ、固定金具を締結して固定します.念のために勾配測定器で勾配を確認します.














以上で、配管の引き回し工事はおしまいです.

洗面やトイレの取付はどうなるんだって? それは次回になります.

つぎへ         前へ
人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿