2012年3月5日月曜日

お堅く政治の風景を考察してみた(長文で失礼します)

本日はいろんなことをダラダラと書こうかしら.ただし政治的な話題なので、読む方の好みもあると思いますので、途中で憤慨したら読むのを中止してください

民主党主流派+谷垣自民党からなる増税真理教の方々が、消費増税法案を通すために結託しそうですね.前から結託する気は満々なんだけど、解散前に結託するか、解散後に結託するかどっちにしようかなぁという時期の問題で悩んでいるに過ぎないという情勢のようです.

ところで、本来は保守主義者と言われる野田総理って、今の彼の行動が彼の本心なんですかね?

民主党主流派を構成する労働組合員風情にとっては、政権取って楯突く相手が不在になった途端にアノミーになってしまって、楯突く相手を作らなくちゃ不安だっていういつもの悪い癖が出て、国民を敵に指定して暴走している自分に酔っている.ついては嫌がられる消費増税を打ち出そうぜ.この路線なら増税無限ループに入ってオレ達の大好きな統制経済へ向かう下地が作れるからラッキーだ.民主党主流派に対するこの分析は当たっている自信があります.左翼っていうのはそういうもんさ.
ここで、労働組合をバカにしていますけど、もちろん労働組合の存在価値は高く評価しています.けれど、労働組合って部分最適をするための組織ですから国政には全く不適な方々ですし、社会主義者ですから統制経済が好きなのでデフレで困っている日本には全く不適な方々です.

そういう民主党主流派の中で野田総理は何を考えているんだろうね?ってことですが、話は脱線しますが、西郷隆盛は武士階級に見方して西南戦争で死にました.なんで西郷ほどの人物が武士に与して滅ぶ道をあえて選択したのか? それは、時代遅れの武士階級を滅ぼすためにあえて西南戦争を起こして死んだのだという大変うがった見方があります.
野田総理もこれを同じってことはないかな? つまり、労働組合議員を引き連れて消費増税をし、わざと大不況にして衆議院選挙で負けることで、労働組合員議員を滅ぼそうとしているという説.ただしソースはオレ.野田のことを褒めすぎですかw?

しかしですね、世の中には反作用っていうのがあって、民主党主流派+谷垣が消費増税っていう財政再建に反する政策を宗教のごとく推進しようとするものだから、そのせいでかえって反増税派を結束させている効果も生じています.先日、日銀が1%のインタゲを採用したのは、あまりにも民主党主流派+谷垣がトチ狂っているのでリフレ派が日銀法を改正して日銀を滅ぼしてやると主張していることをプレッシャーに感じた日銀が、言い訳程度に目標1%と言ったっていうのが真相のようです.あのガラの悪い財務大臣のおかげなんかじゃありません.ただし1%っていうのは、原油が値上がりするとすぐに1%を達成してしまいますので、日銀の詭弁に騙されるなというのがリフレ派の主張であるようです.

当ブログで繰り返し述べてきたように、こんだけ円高だと製造業は呼吸できません.エルピーダやテレビ事業のように窒息して死にかかっています.会社員として過ごした失われた00年代を通じて、悪いのは円高じゃんと気づいた私です.そんな私ですから、リフレ派と親和性があるのは言わずもがなってことで、わたしはリフレ派です.
民主党主流派+谷垣の増税真理教に反対する立場のリフレ派は、落ち目故に翼賛メディア化したテレビからは完全にシカトされているので、テレビには出ません.なのでリフレ派の人々はネットによく出ています.高橋洋一、三橋貴明、上念司、田中秀臣、倉山満 あたりの動画をよく観ます.あとは毛色が少し違いますがTPP芸人の中野剛志もおもしろいので観る.

チャンネル桜という民族主義専門チャンネルがスカパーにあって、「さくらじ」という番組がありまして、youtubeに今日upされた最新回に田中秀臣が出ていたので、鼻の手術後でヒッキーである私は昼間それを観ていたんです.「さくらじ」の見所は、進行役の兄ちゃんがアニメオタクで、ゲストにアニメの話題を振りまくるのが一つの楽しみです.三橋貴明に「コードギアス」が好きなんですってと質問して困らせたりしてます.
http://www.youtube.com/user/SakuraSoTV#p/u/0/DaQd9ptmJSo
今日のさくらじはある意味ひどかったが面白かった.だって、番組の枠が1:40あるうち、前半の1時間が完全にアニメの話題だけになってましたから.ネット番組ならではの無法地帯ですねー.構成作家とか不在なんじゃないかな? ともあれ田中秀臣ってアイドル・アニメ系にはやたら詳しい.というか、そういう評論もしてる人です.

話題は変わって、大阪維新の会の船中八策って、ホントにあんな新自由主義的政策をまたやる気なんですかね? 小泉政権パート2ができちゃって、竹中平蔵がまた復活するのかと思うとゾーッとします.でもわたしは、竹中平蔵のアタマの良さはキチッと評価しています.小泉政権の頃の景気が良かったのは、竹中平蔵が、嫌がる日銀にプレッシャーをかけて日銀に金融緩和させるというリフレ政策をやらせていたからで、いまの民主党主流派は竹中平蔵の爪の垢を1mgでも飲んで、闘う相手は日本国民じゃなく日銀だということを1mmでも理解せよと思います.まぁ労働組合員上がりの代議士風情には無理でしょうけどな.
ただし、竹中平蔵は、リフレ政策のおかげで景気が浮揚したことを知っていながら「新自由主義政策」のおかげなのだとウソをつくので、そこは騙されちゃいけないとわたしは思うんです.そういう意味でも竹中平蔵はアタマがいい.新自由主義の不足性を知ったうえでリフレ政策を補充して嫌がる日銀をねじ伏せて景気を浮揚して新自由主義を正当化する布石をあらかじめ打っていたわけですから、竹中平蔵は嫌いだけどたいしたもんだ.

話を大阪維新の会に戻します.部分最適で構わない地方行政レベルでは、橋下氏のやってることは評価してよいんでしょうけど、国政レベルとなると話は違うと思います.わたしは新自由主義は嫌いだっていうのはあるにせよ、もっと根本的な問題は、国家観とか歴史観が全然感じられないってことです.大前健一風な経営コンサルタントの臭いしかしません.

いまの日本が革命的なことをするには、国家観や歴史観に遡って方針を決める必要があると思います.なぜかというと、反共の防波堤としてUSAが日本を便利に使ってくれた時代が終わり、落ち目のUSAが重商主義的政策で日本の市場開放をゴリ押ししてくる時代になってしまった.そういう時代には、そうはいってもUSAさん、この辺で手を打ちませんかと主張する度胸が日本には必要になるわけですが、憲法9条のせいで在日米軍に防衛を頼らざるを得ない状況にある日本政府は、USAにけしかけられた金正恩が北の方で騒ぐとUSAに何も言えなくなってしまいます.あるいは尖閣のあたりで中国の戦艦がウロつくとUSAに何も言えなくなってしまいます.そんな弱い状況ですからTPPの交渉で負けるのは明らかで、保健医療サービス、法律サービス、防衛産業、なんかがUSAに牛耳られるのがオチです.北朝鮮と中国に対する防衛と引き換えに国内産業を破壊することになってしまいます.防衛ってたってホントに驚異なのかどうかもいまいち不明な脅威ですがね.それと国内産業を引き換えにする神経は理解できんです.現代日本とUSAの裏の構造がある環境でTPP交渉に参加すること自体が負けを意味します.

だから、現代日本とUSAの裏の構造を温存するかぎり、大阪維新の会が目指すとする自立した国家なんかそもそも無理ってことになります.自立した国家を目指すなら、憲法9条を廃止して、防衛予算を増やして核武装し、国産戦闘機と空母を建造し、日米安保条約を破棄し、沖縄から米軍に出て行いってもらい、そのうえでアメリカと防衛条約を結ぶ.これを20年かけてやる.そういう風なことが船中八策に書かれてないので、ただの大前健一の著作物にしかみえません.

船中八策に書いてあることって、地方自治と年金と経済をやりたいとばかり熱心に書いてありますけど、それよりかもっと大きくて深刻な問題、すなわち現代日本が敗戦国扱いされつづける構造に嵌められたままだという実情認識が橋下氏には欠けています.だから、橋下氏は保守主義者ではなくて、新自由主義者なんだねと思うのです.そして、そういう企ては、日本をもっと混乱させるだけで失敗するでしょう.外国になにも主張できないという現代日本の宿痾は、大前健一みたいな経営コンサルタント風情には手に負えない、歴史家にしか手に負えないシロモノなんだということを、橋下氏は謙虚に認識するべきではないでしょうか? さもないと、国政レベルで維新とか革命とアジる資格はないと思います.

すげえ長文で失礼しました.

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6 件のコメント:

  1. 部分最適は労働組合に限らない。企業も個人もあらゆるプレイヤーが部分最適をめざして市場というゆるいネットワークを介して結合しているのが資本主義社会でしょう。社会主義は初めから全体最適な解を求めて市場を使わない社会を設計したつもりだったけどうまく動作できなかった。部分最適な自由なプレイヤーをベースにしてその上に最適までいかないけれど最悪にはならないような制御をかぶせる、いまのところこれ以外のメカニズムは構想されていない。社会主義の失敗から学んだこと、過去の社会主義はこうやったらダメだよということを実証した点で歴史に貢献したのかも。

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  2. 社会主義の敗北は設計主義の敗北であったという意味において私も同意見です.そういう歴史認識がたぶん無い民主党主流派は明らかに設計主義を復古したがっていますよね? つまり、資本主義的カオスから退却して、代わりに官僚統制を復古したがっていますよ. 戦後2回目の社会主義政権がこうもトチ狂うとは、また一つ左翼主義者の反省すべきポイントが生じてしまったのではないでしょうか? 一方で、社会主義とは逆向きに走りすぎて新自由主義になってもダメなのはついこないだ学んだばっかりですが、維新の会で復活しそうで怖いです.

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  3. 労働組合について厳しい苦言を一つ.労働組合活動が実を結んだ制度はたくさんあります.しかしこれとて、長年の好景気が生んだ人手不足故に労働組合の主張が結実したと言えてしまいます.不景気が長期化したいまこそ、労働組合の真価が問われるはずではないでしょうか? しかし、現在の労働組合がやっていることといえば、経営者と一緒になってニートや契約社員を冷遇しつつ正社員の利権保持にあくせくしているだけです.あげくに民主党主流派に陣取ってデフレ下での増税をしようとしています.いったいあんた達は何なんですか?とアムロレイがカイシデンに悪態をつきたくなるのと同じ気分を感じます.

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  4. 1.社会主義の失敗について、こういう主張もあります。社会主義は資本主義の否定形でしか設計されていなかった。つまり資本主義でないもの、という形でしか。まともな設計は革命当初には存在しなかった。スタートはやむを得ないかもしれなかったけれど、その後も党派争いに終始してまともな設計がなされる機会を失ったままだった。今に至るも変わらず。社会は国家統制計画主義ソ連:自由主義資本主義アメリカ:共同体社会ユーゴ、この三角形内のどこかに存在するんだけれど、これがいずれかの頂点に近づくと不安定化する。つまり極端はNGという単純なことだけど。
    2.労働組合について、より安くより多く働かせる資本家:より高くより少く働く労働組合、は対等でOKと思うけれど、これだけでは結局はより多く儲ける企業路線上にあって同じ土俵上での分け前闘争化していたと思う。だから景気上昇局面ではいいけれど下降局面ではボロが出る。分け前主義は一定の成果を得てきたけれど、労働者にとって失ってきたものも多かった。例えば労働者間の競争を回避する姿勢、技術の向上も仕事環境への関心も薄かった。などなど、、、。

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  5. 社会主義=人間は設計できる=無謬性.資本主義=人間は設計できない=有謬性.共同体社会というのはわたしは知らない概念ですが.社会主義の方々の、敵を作らなくちゃ不安になる悪い癖と、党派争いモードに没頭しやすい悪い癖は、無謬性に端を発しているんじゃないでしょうか?

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  6. 社会主義そのもの理念としてはまず人類的、歴史的レベルでの自由の獲得が眼目で、それは生産財の共有というアイディアによって実現される、というものと私は理解しています。現状否定そのものは必要ですがこれが過ぎて、全ての現状否定の後に来るべき社会がやってくるという妄想(?)というかロマンチックな恋心に自分も含めて過去の社会主義者は犯されてしまった。真理は一つ、人間はそれに限りなく接近できるという立場で、社会主義=真理、これ以外は全部NGとなってこれが無謬主義を生んだと思います。悪い意味での宗教と似た側面であったなと思います。

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