2011年12月2日金曜日

地球シミュレータの床下は総延長2400kmのワイヤの海

旅行で神戸に行った時なのでたしか5年ぐらい前のこと、神戸のポートアイランドにスパコン「京」の建屋が建設中でした.車窓から見えたのは「京速計算機プロジェクト建設現場」という看板で、ここに作るのかあーと思ったものですが、その後、事業仕分けで蓮舫の「2位じゃだめなんですか?」で有名になったあれも「京」でした.今年で2年連続でスパコン計算速度ランキング1位になったそうで、費用対効果はさておくとしてまずはおめでとさん.

ひら的にはベクトル型が好きなんですが、京はスカラ型のようですね.FLOPS競争ではスカラ型が有利だけど、物理計算はベクトル演算が多いのでベクトル型の方がスループットは5倍速いなんていう、赤い彗星みたいな話を聞いたことがあります.ちなみにスパコン計算速度ランキングはFLOPS値で決定されます.

かつて、コンピュータシミュレーションといえば水爆のシミュレーションが最も複雑な用途で、そのためのスパコン開発には本家本元の米国ですら「もうスパコンの性能は充分」「新規開発の必要なし」っていう考えになって、誰も手をつけなかったところに、日本の海洋研究開発機構が作ったのが「地球シミュレータ」でした.-------目黒区にある計算流体力学研究所というところはバブル期に個人でスパコンを所有していてCIAに核開発を疑われたという逸話がある-------

ちょうど地球温暖化が騒がれ出した頃で、地球規模の気象シミュレーションは地球シミュレータの独壇場が何年間も続き、世界のスパコン開発競争に再び火がついたんだそうです.------ガンダムがモビルスーツ開発の呼び水になったような------    地球シミュレータはNECのベクトル型CPUでしたけど、京ではNECが降りて富士通になりました.なんでかな? ベクトル/スカラのせめぎ合いでしょうか?

地球シミュレータは横浜の金沢区にあって、ラッキーなことに、中を見学させてもらったことがあるんです.NECのSXマシンがずらーっと並んでいる光景は有名ですが、こににも立ち入りさせてもらいました.床が四角いブロックになっていますけど、これはパカッと開けられるんです.そして、床下には高さ2mぐらいの空間があって、各計算機の箱同士をつなぐケーブル(EtherかFiberか)がどちゃ~っと走っているんですがその分量がすごく多い.ケーブル同士が折り重なっていて床が見えないんです.折り重なったケーブルの厚みが数10センチあるんじゃないかな.その光景が一番印象に残っています.
←赤い丸がエヴァのコアみたい
ネットを検索したらケーブルの写真がありました.総延長2400kmですって! ケーブルの海です.シュールすぎて悪夢を見そうです.
←これを配線した人には頭が下がるわ
ストレージはどうしてるのと聞いたら、STKかなんかのテープ装置だそうで、よく壊れると言ってました.現在もテープかどうかはしらないけど.

以上報告おわり.

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